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東方赤龍録
第一記 赤龍帝死して幻想の都へと足運ぶ?
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確か……そう、俺は――――死んだ。

アイツからサマエルの毒を喰らって、毒が全身に回って、その命を終わらせた。筈なのだ、多分。

なのにしかし、今俺はこうして息をしている。あのとき力を失った二本足でたっている。壊した筈の臓器が、生きているという事実を物語ってくれる。

胸の心臓の位置に手を置くとトクントクンと聞こえる微かなリズムが少しだけ緊張を和らげた。

生きている。

サマエルの毒もなく、体への傷もなく、そして見知らぬ土地の中だけど。それでも生きている。

ならやるべきことはひとつなのかもしれない。

「帰らないとなぁ、リアスのところに」

愛した、女のところに。





道端にあった苔の生えた切り株に腰を静かに下ろし、俺は考えに耽る。

この場所に来て気付いた事と言えば二つほど。

まず一つはと言うと。

「どうしたんだよ……相棒……」

――――ドライグの反応が、消えた。

いや、正確にはいる。ソレは分かるのだ。だがしかし、反応がない。死んでいるのように、まるで俺への反応がない。

そしてその現状は、赤龍帝の籠手を呼び出せないという現実に直結した。

そればかりを気に病んではいられない状況なのだが、ドライグの存在が無いのはそうは言ってられない。

ドライグは俺の相棒、確かにそうだ。肩書き共に、相棒であり、俺の内に眠る神滅具(ロンギヌス)の一つであり。

俺の力のほぼ全てだ。

赤龍帝。

俺のこの力――いや、使えない今となってはあの力は、俺の最大の武器であって、あの世界で生きていけた一番の力である。

それと、もう一つ。

悪魔の駒(イーヴィルピース)が消えた。

これについてはあまり関係はないのかもしれない。主人のいない今となってはそれこそだし、赤龍帝の籠手が発動しないということはトリアイナになることも不可能なのだから。

それを考えて、とても重い溜め息を口から吐いてしまう。

「クソッ……、俺の癖になに難しいこと考えてんだよ……」

何だかんだ死にかけてきたこの最近だが、それでもこんなに考え積めた事もなかった。
そんなのがらじゃなかったしそれに――。

「皆も居たしなぁ……」

木場や朱乃さんにリアスにアザゼル先生。

難しいことは皆が考えてくれて、俺はそれに支えられてここまできた。

「いや……」

駄目だ。こんなところで弱気になってどうする!仲間のところに帰りたいんだろう?愛した女のところに帰りたいんだろう?

自分にそう言い聞かせ、奮い立たせる。

「よし……行こう」

嫌な考えを頭の外へ追いやり切り株から腰をあげる。

ふぅ、と息を吐き森の新鮮な空気を胸に取り入れてようやく歩
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