第3章 聖剣の影で蠢くもの
第27話 必殺料理人
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
頑固さを知っている。
止めようものなら、一人だけで先へ進むだろう。
いや、悪ければ、「家族を巻き込みたくない」一心で、一人で突っ走るかもしれない。だから――――
――――この日、八神家の家族全員が、原作を破壊し、独自の道を歩むことを決意した。
◆
――私の趣味は料理だ。
ただし、決して得意ではない。むしろ、苦手分野である。
それでも、四苦八苦して調理するのが好きだった。
特に好きなのは、創作料理。
私のオリジナリティあふれる料理は、他の追随を許さない。と、自負している。
はやてちゃんには、シャマルの創作料理?毒物の間違いじゃない?と、酷い言われようだが。
だが、それでいいのだ。
できないからこそ、チャレンジする気になる。
誰か監督役にいるときは、普通に料理ができる。
レシピ通りに作ることもできる。
でも、レシピ通りに作ったら負けかな、と思っている。
自慢ではないが、私は大抵のことが、そつなくこなせる、
ヴォルケンリッターの参謀として高い知能を誇る私は、常人よりもあらゆる点で優れている。
事実、料理以外の家事――洗濯、掃除などは、得意ではないものの、問題なくこなせる。
にもかかわらず、料理だけはできないのだ。
(はやてちゃんは、一つくらい欠点があった方が、愛嬌があっていい、なんて言ってくれるけどね)
昔冗談で、料理ができないようにプログラムされているのではないか、と言ったことがあるが、冗談では済まされないかもしれない。
実際、シグナム、ヴィータ、ザフィーラはいまだに家事が苦手だ。
私たちヴォルケンリッターは、戦闘用のプログラムである。
そう考えれば、余計なリソースを使わないために、家事の能力は省かれたのかもしれない。
料理以外の家事ができるのは、単に私が一番器用だったからだろう。
それでも、私は料理し続ける。
半ば意地のようなものだ。
不思議なことに、私が作った料理は、私の口には合う。
だからこそ余計に、不味い、と言われても理解できないのだ。
はやてちゃんには、味音痴だの味覚障害だの言われるが、めげずに私は今日も料理をしようと思う。
「えっと、にんじん、じゃがいも、たまねぎ……今日の夕飯はカレーだったわね」
夕飯の買い物を頼まれて、近くのスーパーに来ていた。
私の練習用の素材も買っていいといわれている。
なんだかんだで理解のある優しい主に感謝だ。
――私の役目は参謀だ。
ヴォルケンリッターの参謀として後方で指揮・援護をするのが私の役目だ。
冷徹に状況を見極め、判断する。
戦闘に感情は不要だ。
だから、冷徹に、いっそ冷酷
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ