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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
12.仮面の真実
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をえぐる。
「俺たちを庇った……のか……?」
「なのか……?」
返り血を浴びた彼女を見ながら呟いた。
彼女の行動は彩斗たちを助けるように入ってきた。
そんな中、彼女の顔を覆っていた仮面に突然と砕けた。
「……馬鹿な! あいつ……あの顔!?」
「嘘……」
“仮面憑き”と呼ばれた少女の素顔を目にして、彩斗と古城、雪菜は言葉を失った。
銀色の綺麗な髪、淡い碧眼──
いびつな翼、素肌に奇怪な紋様をまとった少女。
彩斗が知る少女の姿とは違った。いつものような穏やかな笑みとはかけ離れた表情の少女。
「……夏音……」
彼女の次の行動がわかった。
だが、今起きている状況が理解できない彩斗は動くことができない。
彼女は電波塔に倒れる”仮面憑き”の白い喉に、その牙を突き立てた。
「叶瀬──っ!」
絶叫する古城の前で、凄まじい鮮血が噴き出す。
それは吸血鬼の吸血行為に似ても似つかない行為だ。
喉を引き裂かれた“仮面憑き”が、痙攣する。
淡い碧眼から涙を流しながら、夏音は噛みちぎった肉片を喰らう。
今だこの状況を理解できずにいる彩斗は翼を広げて飛び立った少女を見送ることしかできなかった。
翌日。朝陽が昇る前に彩斗は一人動いた。古城と雪菜にも告げずに闇が辺りを包み込む絃神島を駆け抜けた。
夏音がどうして“仮面憑き”などになってしまったのかを探るために当てもなく駆け抜けた。
息が切れようとも片っ端から夏音に関係のあるところを周り続けた。吸血鬼の体質で夜に眠気が襲って来なかったのが幸いだ。
「くっそ……なんなんだよ」
いくら不老不死の吸血鬼であれども体力には限界がある。
もはや手がかりもない状態で深夜の歩道に一人膝をついて息を整える。
「困ってるみたいだね……?」
肩で息をしている彩斗の背後から聞こえてくる。
吸血鬼の目が暗闇であってもその姿をはっきりと視界に捉える。長い黒色の綺麗な髪。同い年か一つ下の歳。いやそれよりも歳下かもしれない顔立ちの少女がそこにはいた。
そんなことよりも彩斗の目は少女が背負っている暗闇に同化するような黒色の大きなギターケースへと向く。それは雪菜がいつも背負っているものに酷似していた。
瞬間的に彩斗の頭には、“獅子王機関”という文字が浮かび上がる。
だが、それとはまた違う彩斗はどこか懐かしい感覚を覚えていた。初めて出会ったような気はしない。
「叶瀬さんの居場所を探してるんでしょ?」
彩斗は少女の言葉に驚愕する。
「な、なんでお前がそんなことを……」
「今はそんなこといいじゃんか」
少女は誤魔化すように笑顔を向け、綺麗な瞳で四つ折りにされた紙
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