暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
12.仮面の真実
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ている。
 二体の戦闘が激しくなるに連れて、市街地に被害が広がる。

「……なるほど。たしかに違和感があるな。あのような魔術の術式、私は知らんぞ」

「はい。あれはまるで魔術というよりも……わたしたちが使う神憑りのような……」

 那月の言葉に頷いて、雪菜が背中のギターケースから銀色の槍を取り出した。

「“七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)”か……ちょうどいい。手を貸せ、姫柊雪菜。まとめて仕留めるぞ」

 その瞬間、那月の周囲の空間が、揺れる。虚空から銀色の鎖が矢のように撃ち放たれ、空中の“仮面憑き”二体を拘束する。
 直後、雪菜が鉄骨を蹴り、空中に張り巡らされた鎖を駆け上がる。

「──“雪霞狼”!」

 雪菜の詠唱に呼応して、彼女の槍が光に包まれた。
 雪霞狼──“七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)”は、魔力を無効化し、ありとあらゆる結界を斬り裂く、獅子王機関の切り札。
 予期せぬ乱入者に戸惑う“仮面憑き”たちめがけて雪菜は槍をいびつな翼に突き立てる。

「えっ!?」

 激突の瞬間、雪菜の“雪霞狼”は“仮面憑き”を覆う禍々しい光が輝きを増して拒む。
 ありとあらゆる結界を斬り裂くはずの刃が、見えない壁に阻まれた。
 “仮面憑き”が咆哮する。すると彼女たちを縛っていた鎖が弾け飛び、その衝撃に雪菜も吹き飛ばされる。

「──姫柊!?」

「“戒めの鎖(レージング)”を断ち切っただと……!?」

 古城と那月が、同時に叫んだ。
 空中に投げ出された雪菜は、そのまま地上めがけて落下して行く。その時だった。彩斗の魔力が昂り、魔力の塊が雪菜めがけて飛来する。
 それは形をなし巨大な梟の姿へと変化する。“神意の暁(オリスブラッド)”が従える眷獣、“真実を語る梟(アテーネ・オウル)”が雪菜を助けたのだ。
 知恵を司る眷獣の“真実を語る梟(アテーネ・オウル)”は、“神意の暁(オリスブラッド)”意思を読み取り、出現することがある。
 “真実を語る梟(アテーネ・オウル)”は、彩斗たちがいるところで静止、雪菜は電波塔に着地した。

「無事か、姫柊!?」

「わたしは緒河先輩のおかげで大丈夫です。でも……」

 雪菜の“雪霞狼”は、“仮面憑き”には通用しなかった。
 二体の“仮面憑き”は、攻撃に警戒している。一体は、上空に逃れ、もう一体は、怒りを露わにして電波塔のほうへと突っ込んでくる。

「いかん!」

 “仮面憑き”が咆哮し、紅い光をはなつ。咆哮は、電波塔の根元をごっそり抉り取る。
 支えきれなくなった電波塔は傾きだし、ゆっくりと倒れていく。

「暁、緒河、やつらは任せる! 手加減はするな、おまえらが死ぬぞ!」

 その言葉を言い残し、那月は
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