暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
狂気の始まり
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「へー。これかー」

レンと足下のクロの目の前には、重々しい鋼鉄製の両開きの扉があった。

その扉には、この二十五層に多く生息するジャイアント族のレリーフがおどろおどしく描いてある。

「諸君、これがボス部屋だ!気を引き締めて行こう!」

隊列の先頭を歩いていた軍の幹部プレイヤーが叫んだ。

「「「「 ウオォォォー!!! 」」」」

その声に、時の声で攻略組は答える。

大きく軍の幹部プレイヤーは頷き、振り向いて扉に手を触れる。

たったそれだけの動作なのに、重そうな鋼鉄製の扉はズズズという音を残して開いた。

軍を先頭にプレイヤー達がボス部屋になだれ込む。

真っ暗だった部屋は、扉が開いた瞬間、ボッボッという音とともに松明が灯る。

だが──

「………何も…………いないぞ」

誰かがそう呟く。

直径五十メートルほどの円形の部屋には、何もなかった。

しかし、同時に誰もが感じていた。何かがいる、と。

そして、その予感は現実となる。

「下だ!!」

誰かが叫んだその声に、レン、ユウキ、そしてキリトも素早く対応した。ついでにクロも。

その場をすぐさま離れ、部屋の端に非難する。

他の全員が非難し終わったと同時に───

ゴガアァァァン!!!

凄まじい音がして、先刻までプレイヤー達がいた場所の地面が割れ、そこからとてつもなく大きな影が現れた。

【General the dual giant】

アルゴの情報通り、二つの頭、四つの腕をもつ巨人だった。

予想外なボスの登場にも、攻略組プレイヤー達は動じなかった。素早く散開し、壁仕様(タンク)プレイヤー達がボスのハンマーの射程距離に躍り出る。レン、ユウキ、キリト達、攻撃特化仕様(ダメージディーラー)も各々の武器を構える。

だがその時、どこか予想された事態が起こった。

大きな打撃音がして、壁仕様(タンク)プレイヤーが吹っ飛んできた。

「…………くっ!!」

キリトが咄嗟に前に出て受け止める。だが速度に押されて、そのプレイヤーと一緒に転んでしまう。

ユウキが心配して駆け寄るのを眺めながら、レンはそのプレイヤーのHPゲージを見た。

それは全体の三分の一程を減らしていた。

一撃で壁仕様(タンク)のHPを三分の一、か。

そんなことをレンが考えていると、ユウキに助け起こされているキリトが緊迫した口調で言った。

「気を付けろ、レン。今回は、格が違うぞ」

その掠れた声に、レンは返事がわりに思いっきり地面を蹴った。

肩の上には、いつの間に乗ったのか、クロがくっついている。

一気に巨人に接近したレンは、短剣(ダ
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