暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
狂気の始まり
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り下ろされた。

キリトは思わず目を瞑った。

だが、衝撃音はいつまでたってもやってこなかった。目を開くと、眼前にはとんでもない光景があった。

巨人が振り下ろした鈍器、それをレンはシンプルな方法で対処していた。

すなわち、避けるのでも受け流すのでもない。

それは、受け止めること。

「……………………は?」

誰かが言ったその言葉が、引き金だったように、レンは受け止めていた四つの鈍器を全て右に受け流す。

力を込めていた巨人は、前屈みに体勢を崩した。

眼前に迫ってきた醜い二つの顔をレンは──

両方同時に一刀両断した。

その一撃。たったそれだけの動作で、あれほど攻略組を苦しめた二十五層フロアボス【ジェネラル・ザ・デュアルジャイアント】は、その巨体にひびを入れたと思うと、凄まじい量のポリゴンとなって、爆散した。

同時にキリトの視界には、大きく【Congratulations】の文字が。

一瞬、静寂に包まれたボス部屋は、次の瞬間爆発したような歓声に包まれていた。

だが、その狂喜乱舞の中、厳しい顔をするプレイヤーが二人いた。

キリトと、ユウキだ。

キリト、ユウキは、あの不気味なモヤが取れ、壁に寄りかかり、顔を膝に埋もれさせているレンに聞いた。

「…レン、さっきのはなんだったの?」

ユウキの、いつもの無邪気さがすっかり欠け落ちた声に返ってきたのは、静寂の二文字だった。

さらに言い募ろうとするユウキを片手で制したキリトは、穏やかにレンに言う。

「分かった。落ち着いたら連絡くれ」

キリトはユウキを連れだって、次層へ続く扉を他のプレイヤー達とともにくぐって行った。

そして、広大な部屋にレンだけが取り残された。










何分経ったのだろうか。

突然、項垂れていたレンの耳にパチパチという拍手の音が響いた。

思わずレンが拍手のしたほうに目を向けると、そこには真っ黒なタキシードを着込んだ男がいた。

男は

「素晴らしい!」

出し抜けにそう言った。

「いや、実に素晴らしい。偶然とはいえ、一人で【心意】を発動させるとは、本当に大したものだぞ。少年」

いろいろ捲し立てる男に、レンはとりあえず手のひらを突き出してタイムを取る。

「ちょ、ちょっと待って。おじさん、誰?」

その言葉に何だか解らないが興奮していた男は、少し落ち着いた様子で話し始めた。

「おぉ、これは失礼した。だが君は私の名前をすでに知っているのだと、私は思うのだがね」

意味深な男の言葉にレンは眉をひそめる。

「私の名は《カーディナル》。このデスゲーム《ソードアート・オンライン》のメインシステムであり、
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