Episode2 偶然の遭遇
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
難易度が高くなれば、矢も強力な物が手に入る。そして、一度のクエストで入手できる矢の本数は、約二百五十〜三百本。レアな矢の場合なら十本以下だ。
こんな感じで、遠距離攻撃が可能な弓スキルだけど、意外と大変なのだ。確かに、強力なスキルではあるが、弓スキル射程は思いのほか長くは無い。まぁ、それがユニークスキル《射撃》の場合なら、威力も射程も掃射数も桁違いなのだが、僕はあくまで《弓スキル》のみで、二人目の弓使いだ。その辺の詳しい話は、長くなるのでまた今度にしよう。
「さてと、そろそろ戻るとしようかな」
時刻は、午後二時半。夜の森は危険なので、目的のアイテムが集まらなくても、暗くなる前には森を出ようと思っていた。しかし、思いのほか早く集まったので、少し早い気もするが今日は帰って休むことにした。
(っ!)
弓使いに必須ともいえるこの《索敵スキル》。当然僕もこのスキルと《隠蔽スキル》は鍛えている。弓使いは接近されたら無力なので、距離を取るため逃げるしかない。よって、周囲への警戒は常にしておかなくてはならない。その警戒網に何かが引っかかった。警戒しつつ、辺りに目を配る。
(ん?あれは…!)
十時の方向、約二十メートル程の樹木に付近に小さいモンスターを視界に捉える。<ラグー・ラビット>。S級食材〈ラグー・ラビットの肉〉をドロップするレアモンスターだ。
(こんなところにも現れるんだ…)
もっと上層階に行かないとお目にかかれないと思っていたのだが、どうやら違ったようだ。まぁ、もともとエンカウント率が極めて低いモンスターだし、正確な情報はないのかもしれない。なんとなく、神出鬼没なイメージが強い。
(まだ、こっちには気づいていないしけど、これ以上近づくのは難しいかな……。さて、どっちでいこうかな?)
と言いつつも、迷わず一本の矢を取り出す。相手が噂通りの逃げ足を誇る<ラグー・ラビット>なら、選択肢は決まっている。
(いけ!)
先ほど放った二つの黄色い閃光が、霞んでしまうような速さで飛んでいくそれは、黄色い細い糸のようで、真っ直ぐターゲットへ飛んでいく。弓遠距離攻撃技《スピードスター》。弓スキルの中でも最速の技であり、最大射程も三十メートルと非常に使い勝手のいい技である。今の僕のレベルでは、《閃光》の二つ名を持つ彼女の剣技には劣るが、他には負けていないと自負している。
ポリゴンが砕ける効果音が耳に届き、目の前にお馴染みのフォントが浮かび上がる。
「フゥー」
そこで、肩の力を抜きアイテム欄を確認。そして、右手で小さくガッツポーズをする。僕は、ホームに戻るのを変更して、少し寄り道することにした。
第五十層 『アルゲード』
ここに到着した時には、すでに午後三時を回ってい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ