暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜命の軌跡〜
Episode2  偶然の遭遇
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難易度が高くなれば、矢も強力な物が手に入る。そして、一度のクエストで入手できる矢の本数は、約二百五十〜三百本。レアな矢の場合なら十本以下だ。 
 こんな感じで、遠距離攻撃が可能な弓スキルだけど、意外と大変なのだ。確かに、強力なスキルではあるが、弓スキル射程は思いのほか長くは無い。まぁ、それがユニークスキル《射撃》の場合なら、威力も射程も掃射数も桁違いなのだが、僕はあくまで《弓スキル》のみで、二人目の弓使いだ。その辺の詳しい話は、長くなるのでまた今度にしよう。

「さてと、そろそろ戻るとしようかな」

時刻は、午後二時半。夜の森は危険なので、目的のアイテムが集まらなくても、暗くなる前には森を出ようと思っていた。しかし、思いのほか早く集まったので、少し早い気もするが今日は帰って休むことにした。

(っ!)

 弓使いに必須ともいえるこの《索敵スキル》。当然僕もこのスキルと《隠蔽スキル》は鍛えている。弓使いは接近されたら無力なので、距離を取るため逃げるしかない。よって、周囲への警戒は常にしておかなくてはならない。その警戒網に何かが引っかかった。警戒しつつ、辺りに目を配る。

(ん?あれは…!)

 十時の方向、約二十メートル程の樹木に付近に小さいモンスターを視界に捉える。<ラグー・ラビット>。S級食材〈ラグー・ラビットの肉〉をドロップするレアモンスターだ。

(こんなところにも現れるんだ…)

 もっと上層階に行かないとお目にかかれないと思っていたのだが、どうやら違ったようだ。まぁ、もともとエンカウント率が極めて低いモンスターだし、正確な情報はないのかもしれない。なんとなく、神出鬼没なイメージが強い。

(まだ、こっちには気づいていないしけど、これ以上近づくのは難しいかな……。さて、どっちでいこうかな?)

 と言いつつも、迷わず一本の矢を取り出す。相手が噂通りの逃げ足を誇る<ラグー・ラビット>なら、選択肢は決まっている。

(いけ!)

 先ほど放った二つの黄色い閃光が、霞んでしまうような速さで飛んでいくそれは、黄色い細い糸のようで、真っ直ぐターゲットへ飛んでいく。弓遠距離攻撃技《スピードスター》。弓スキルの中でも最速の技であり、最大射程も三十メートルと非常に使い勝手のいい技である。今の僕のレベルでは、《閃光》の二つ名を持つ彼女の剣技には劣るが、他には負けていないと自負している。
 ポリゴンが砕ける効果音が耳に届き、目の前にお馴染みのフォントが浮かび上がる。

「フゥー」

 そこで、肩の力を抜きアイテム欄を確認。そして、右手で小さくガッツポーズをする。僕は、ホームに戻るのを変更して、少し寄り道することにした。


第五十層 『アルゲード』 

 ここに到着した時には、すでに午後三時を回ってい
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