それから
前世のトラウマを。今世の過ちを。
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
そんなわけで翌日。
完全なるオフということでタンスの奥深くに眠っていた私服を着て、転移装置のある部屋にいた。
別に転移装置がなくてもやろうと思えば転移はできるのだが、世界規模の転移は魔力を使うし、なにより知らないうちに美愛にヤミをいじられ、一週間魔法に関するサポートができないようにされているのでヤミを通しての魔法が使えない。
ってか、デバイスなのに魔法が使えないって・・・。
「ごめん陽龍、待った?」
そんなことを思っていると、予定していた時間よりも五、六分も早くフェイトがきた。
フェイトの姿は清楚そうな印象の強い純白のワンピースと淡い水色のカーディガン、綺麗な金色の髪を目立つ真っ赤なリボンで結っていた。
「いや、オレも少し前にきたとこ」
実際は三十分前には着いてたけど。
「それよりフェイト、その服似合っているな。リボンも新しいやつか?」
「ふぇっ?う、うん、よく気がついたね。お姉ちゃんと少し前にショッピングに行った時に買ったんだ」
ワンピースの裾をちょこっとだけつまんではにかむ。
「っ・・・そ、そろそろ行くぞ!」
オレはフェイトから視線を外して転移装置に乗る。
顔が熱い!
「? うん」
少し戸惑いながらもオレの隣に立つ。
「転移、地球!」
「おー、久しぶりに帰ってきたー」
転移した先は地球にあるオレの家の地下だった。
とりあえず荷物を置こうということで部屋に案内する。
ちなみに部屋順は端からオレ、美愛、アリシアでその隣に今回はフェイトの部屋を用意した。
部屋はそこまで広くなく、普通の教室一個分くらい。
「えっと、本当にここ?」
扉を開いたフェイトが言う。
「やっぱ狭いか?もっと広い部屋もあるけど、準備に少し時間がかかるが・・・」
「十分です!むしろ広すぎるくらいだよ!」
よくわからないけど、オレとフェイトの間に感性の違いがあったらしい。
「とりあえずオレの部屋は一番端だから。荷物置いて、準備が終わったら来てくれ」
オレはそう言って部屋を出て自室に向かった。
そして部屋に入ると、最後に帰ってきた時と変わりない内装。
数年間放置していた割にホコリがないあたり、母さんが掃除をしていてくれたのだろう。
「相変わらずこのベッドでっかいなぁ」
体質のせいで無駄に広いベッド。
昔はフラッシュバックがあった日の夜、寝ている時に表に出てきた大吾。
紗羅のいない世界は生きていくには辛すぎて、自殺未遂を繰り返していた弱い自分。
しかし闇の書に取り込まれていた時に紗羅に再開し、ようやく言いたかったことを言うことができて、オレと大吾は同化した。
それが理由なのか、オレは前世の記憶をある程度継承。
過去を受け入れたせいかフラ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ