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函館百景
その2
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が、中は数人しかおらず、楽々と座れた。
 旅行誌るるぶをめくり、いい料理が食べられそうなところを探す。魚介類は当たり外れが大きい。肉系がいいとおもいつつ、一つの店の情報が目に留まる。
『バーガーショップ ピエロ』
 ハンバーガーではあるが、ここの地の店であるし、悪くはないかもしれない。
 軽く食べるか。


 末広町で降りて、北島三郎記念館入口で少し休む。
 とはいっても、なんだか行く気がしなかった。
 幼いころ聞いたのは吉幾三の歌ばかりで、サブちゃんの歌にはなじみがなかった。それに函館にはちょっと合わない。それもあったかもしれない。
 潮風に吹かれたくて、外に出て港を眺め見る。
 風は全くない、無風状態だった。
 でも、景色はなかなか綺麗だった。
 海がご無沙汰だったからだろう。
 黒い海の上に、白い客船が通る。松島でも、千葉海浜公園でも、南房総和田浦でも、この光景は見たことがなかった。そのまま船を追いかけるように港を横切り、赤い煉瓦の建物へ。
 赤レンガ倉庫群である。


 以前見学した、ニッカウヰスキー工場に似ていた。
 暑さを避けるため、レンガの中に入る。
 ちょうどお土産処といった感じで、イカの干したもの、ワイン、ラーメンなど、函館の土産としてはそれなりに名の知れたものが置かれていた。冷蔵庫から出る冷たい空気が、涼しい。
 日本人から金髪の男女まで、様々なお客が歩き回る。江戸末期に開国してから今日まで、多国籍が似合う港町というイメージは変わっていない気がした。
 ワインの試飲コーナーがあったので、白ワインを一杯飲んでみた。多少アルコールの刺激があるものの、口当たりはいい。甘くて、グイっと飲むことができた。
 甘すぎて、多少のども渇いてしまったが。


 腹がすいたのと、のどが渇いたのとで、いったん外に出て、ピエロを探す。
 が、お昼時であったということもあり、混んでいた。
 8人ほど若い男女が、入口でたむろしていることを考えると、結構混んでいるだろう。案の定、30分くらいは待たされるという。
 あきらめて隣の店で、エスカロップを食べることにした。
 その店はレストランというより、喫茶店に近い。やはりお昼時で、家族連れが4組ほど座り、あいている席は真ん中のところしかなかった。
 迷わずるるぶにも紹介されていたエスカロップを注文する。
 これは注文して正解だったと思う。夜の十時まで何も食べなかったが、そんなに腹も減らなかった。
 できるまでに20分ほど待たされた。
 カメラをもう少し使いこなせたほうがいいと思い、周りの額縁や、窓を撮っていく。
 エスカロップは、ご飯に上からミートソースとウインナーをかけたような代物。ウインナーだけ熱いという感じで、ミートソースは解凍したものらしく、妙
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