第11話
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、その中から差し引いて隊の者に分ける。それがひよ子や転子たちの給料になる。
その辺りも一応は勉強してあるが、すっかり忘れていた。
竜司「気がついてよかった…もしも忘れてたら路頭に迷わせることになってたな…」
ひよ子「あはは…そうですね。私たちも気付いてもらえてよかったです」
転子「当面は、私とひよで知行地の管理は出来ると思います。余裕ができれば、信頼できる役人を雇って任せてもいいでしょうけど…」
竜司「まぁその辺りは任せるよ。俺じゃ…どういうことに使えばいいかはわかるけどそのへんは面倒でな…はぁ…これは一度、麦穂辺りに相談しないとダメかな…」
ひよ子「その方がいいかも知れませんね」
とりあえず、当面はやりくりしつつ、知行のことは改めて麦穂に聞いていくことにした。
金の管理はひよ子が適当だと今までで判断できるので任せることとなった。
しばらく歩いていると、一件の食堂に足を止める。
ひよ子「あ、竜司様!このお店です!一発屋!」
竜司「じゃあ今日はここで食べるか…」
転子「そうだ竜司様!竜司様の小さい頃の話も聞かせてください!」
ひよ子「あっそれ私も聞きたいです!」
竜司「俺の子供の頃の話か…ん〜…」
ひよ子「どうしました?竜司様」
竜司「いや…正直な話…今話してもいいものかと…」
転子「えぇ…気になりますぅ!」
竜司「まぁそのへんは追々話そう…というか、今話したら後で久遠と帰蝶辺りががっついてきそうだしな…」
ひよ子「あぁ…確かに…」
転子「私達だけが聞くのは勿体無いですもんね」
竜司「いや…そういうことじゃないんだが…」
ひよ子「じゃあ久遠様がいる時に聞きますね?」
竜司「まぁ…いずれ…な」
今はまだ俺の過去を話すべきではない…あの忌まわしい過去を…。
それを話すのは本当に大事な時だけ…そう思った。
そんなことを考えながら、俺達は一発屋に入っていった。
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