第11話
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いらなかったんじゃないか?」
見てみると、竜司隊の何人かが二人の後ろに控えていた。
ひよ子「えっと…竜司隊の長屋、ちょっとわかりにくい所にありますし、それに荷物なんかもあるかと思って…」
まぁ…普通なら引越しにこれだけいるのは分かる。
それはすごく有難い…有難いんだが…。
転子「それでお頭、ほかの荷物は…?」
そう言って、俺の周辺を見回すが荷物らしい荷物はどこにもない。
強いて言えば、書簡が少々ある程度。
だがその書簡の量も大したことはなく2,3人居れば運べる程である。
竜司「実質荷物といえば…ここにある書簡くらいだ…」
ひよ子「……」
転子「………」
竜司「ん?おい、どうした?おーい…二人ともー」
あまりの荷物の少なさに驚きを隠せない様子の二人。
竜司がいくら手を振って気付かせようとしても全く反応しない。
その後数秒の沈黙の後深い溜息と共に、二人の意識が覚醒する。
ひよ子、転子「「はっ……!」」
竜司「あっ…気がついた」
ひよ子「えっと…」
転子「じゃあ…その、荷物…それだけですか?他にもないんですか?食器とか、お布団とか…」
ひよ子「そうですよ!そのために隊の皆さんにも来てもらったんですよ?」
竜司「ん〜…そこらへんは久遠の家のを借りてたし、食器や衣類だって久遠のお父上のをお借りしてたからな…なぁ?帰蝶、久遠」
帰蝶「えぇ、家事は全部私がやってたから…」
久遠「そういう訳だから、必要なものはそちらで揃えてやってくれ」
転子「はぁ…承知いたしました」
竜司隊1「あの…木下様、蜂須賀様?」
竜司隊2「では我々は解散…ということでよろしいですか?」
ひよ子「えっと…」
転子「そうですね…あっそこの書簡を運ぶ人だけ割けば後は解散でいいかと」
竜司「そうだな。そうしてくれ。皆も済まないな、折角来てくれたのに」
竜司隊「いいえ…おーい!皆解散だ!解散!書簡を運ぶ奴らだけ残ってそれを運び入れろ!」
竜司隊「「「へい…」」」
その一声で、書簡を運ぶ者とさっさと解散する者に分けられ、それぞれ行動に移す。
その様子を見て、ひよ子、転子、帰蝶は溜息を吐き、久遠と俺は苦笑いをしながら見送った。
転子「そ…それじゃ、私たちも行きましょうか、お頭」
竜司「そうだな。いつまでもここに居るのもあれだし…じゃあ久遠、帰蝶、俺たちはこれで失礼する」
久遠「何だか、もう来ぬみたいだな」
竜司「ん?そうか?じゃあ…またな」
久遠「うむ。またな」
帰蝶「たまには顔を出しなさいよ」
こうして俺達竜司隊は久遠の屋敷を後にした。
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