10話:悪魔デ妹
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いた。
あとは初春たんが佐天さんを迎えにいって、そこで涙溢れる感動の話があったりオレの出番はもうないだろう。
これにて本当に一件落着ってワケだ。
本当によかった……
こうして、理不尽にも不運にも事件に巻き込まれたレベルアッパー事件は幕を閉j……
「いや〜、皆さんお疲れ様でーす。凄く良かったですよー」
パチパチと、何故か場違いな拍手が聞こえてきた。
何故拍手なんだと、ここに誰もが思うほどに。
オレも、美琴も、初春も、木山も、先生も、その他諸々警備員たちも訝しげに思った。
云うならば、その拍手は感動とか歓声と共に起きる拍手ではなく、
「まぁぶっちゃけ、欠伸が出るほど眠たくなる内容でしたけどもぉ、私感動しました!」
冷やかしで人をおちょくるような挑発してくるようなふざけた拍手に罵声だった。
第三者の介入。空気を読むことをしない、愚か者が話しに割って入ってきた。
だから、もう少し、この話は終われそうにないな……
「誰よ、アンタ……??」
美琴が一番初めに気付いた。
いつの間にそこにいたのか分からない。さっきまでAIMバーストと戦っていた付近にいたからだ。
「が、外人さんだ……って。え?パジャマにマント……??」
初春たんはその者の風貌に困惑する。
歳は初春と一緒ぐらい。ウェーブの掛かったブロンドの髪に赤い瞳。そして、どこか人を食っていそうな妖艶な唇と赤い舌。そして、ドラキュラみたいな牙にも見えそうでもない八重歯。
ただ黒マントの中はパジャマを着ておりピンクのチェック柄だった。
「何者なんだ……部外者か??」
部外者……木山が訊ねたそのワードはこの話に関係ある者ではなく、この学園都市の外の者を指したのだろう。
とある研究者とかはニオイで判断が可能だとか。
そして、それは当たりだった。
「あの時の小娘じゃんかよ……」
黄泉川先生はこいつの事を知っている。
ちょっとしたワケありじゃん……
「で、お前は何でここにいる。イギリス清教のロンドン塔にぶち込まれたと聞いていたんだがな。脱獄でもしたか?」
「なっ、本当じゃんかよそれ??」
隣で脱獄ってなんですかー!?とか、なんかヤバそうね、手を貸すわよ。とか、危険なにおいがするとか言う少女達はスルーして、オレはその者を睨みつけた。
「怖いよー、お兄さん。否、お兄ちゃん! ダメだよ、こんな可愛い妹を睨んじゃメー!!」
「「「「「………」」」」」
オレも含めて全員がドン引きしたんだ。
ついでにオレを見てもドン引きするな!!変に勘違いするな!!
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