僅かな平穏・後編〜
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・・いや、二発目を放ち、愛依が吹き飛ぶ。
『愛依さん!』
「ま・・・まだ負けない・・・諦めない・・・!」
「・・・」
恋が方天画戟を取り出し・・・
「・・・」
ブンッ!
愛依に向かって投げた。・・・射線上には霞がいたが。
「危ぅっ!?」
「わっ!?」
霞がしゃがんで避け、愛依が受け止める。
「コルァッ!何してくれとんのや!てかまず手助けし過ぎやバカ親!」
「・・・手が滑った?」
「疑問系やないかぁぁっ!!」
「隙ありです!」
左手に持った方天画戟を振り下ろす。
ガキャン!
「重っ・・・」
「闇の補助で充分振れる・・・母さんと父さんの武器を使ってみっともない真似はできない!」
『攻めるッス!』
リパルで捌き、方天画戟で攻める。それをしばらく繰り返した後・・・霞が気を放出した。
「全力でぶちかましたる!」
高速で走り、勢いののった突きを放つ。
「でやぁぁぁぁぁ!!」
「っ!?きゃあああ!」
渾身の一撃が愛依を吹き飛ばした。そして・・・
「・・・終わりや」
・・・首元に偃月刀を突きつけた。
「・・・!」
だが愛依は未だ霞を見続ける。
「もう一回・・・もう一回お願いします!」
「はぁ?何言って・・・」
「これじゃ・・・認めて貰えない・・・アタシが生きなきゃ・・・アタシをかばってくれた父さんと母さんが無駄死にになっちゃうから・・・!そんなの嫌だから!」
愛依の目に涙が浮かぶ。
「・・・もういいよ、愛依」
「ああ、よく戦ってたよ、お前は」
俺と恋が愛依に近付く。
「でも・・・でもぉ!」
「第一・・・負けたら認めない、なんて言ってないだろ?なぁ霞」
霞は偃月刀を担いで笑う。
「せやな。何時から気付いとった?」
「二発目から。霞、楽しくなってただろ」
「だって中々いい動きするんやもん。てか本気で殺る気がないって分かったから愛依に武器貸したんやろ?」
「・・・まあな。霞には悪いけど、愛依を殺す気なら全力で止めてた」
「ウチかて倒すべき相手を間違えるほどアホやない。今は愛依は倒す相手やない・・・ってことや」
「えっと・・・え?」
愛依が首を傾げる。対する霞は笑顔で・・・
「試すような真似してすまんかったなぁ。安心せい、咲の家族ならウチの家族。家族は助け合いや。ウチも愛依のこと助けたる」
「ちょ、張遼さん・・・」
「“霞”や。咲と恋ちんの娘なら遠慮はいらん。ウチの真名預けたる」
「あ、ありがとうございます・・・霞さん」
「んで・・・もう一戦やらへん?」
「え?」
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