第五十四話「報告と処遇」
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ですね?」
「「了解」」
「では次に、ブランクの処遇についてです」
この言葉を聞いた途端に、支部長の隣に座っていた幹部が立ち上がった。
「彼は敵と同じ適合者だ。暴走して敵に多大なダメージを負わせた。そこまではいい。しかし、問題は
暴走したブランクがヴェールマンを殺そうとしたことだ。……もしもう一度暴走した時は、どうする?
今度は味方を皆殺しにするかも知れない。ブランクを今まで通りにさせるのは危険なのではないか?」
ヴェールマンは座ったまま、その意見に反論した。
「暴走はしましたが、それで彼を危険視するのはどうかと思います。彼は我々にとって必要な戦力です。
暴走しないように導いてやるために我々がいます」
「彼は暴走し、君を殺そうとした。その時点で彼は敵と繋がっているかも知れないんだぞ!?
感染者の手引きを手伝った可能性だってあるんだ!」
幹部の言葉を聞き、座っていたネロが立ち上がり、反論した。
「おい、ブランクはエクスカリバー結成当初からのメンバーだろ。疑うってのはおかしいだろうが」
「座れネロ。立場をわきまえろ」
タガートに諭され、ネロは幹部を睨みながら席に座る。
ネロが座り、ヴェールマンが再び口を開いた。
「確かにブランクは私を殺そうとしました。しかしそれ以前に敵を殺そうとした。ブランクの攻撃で、敵も
少なからず損害を受けたはずです。そう考えると、ブランクは責められるどころか、称賛されるべきです」
「………しかし!」
「それに、ブランクはエクスカリバー結成当初からのメンバーです。なので、ブランクのことは知っている
つもりです。…………彼は敵ではありません」
「分かりました」
「支部長!?」
「ブランクについては、今後もヴェールマン司令に任せます。始めから恐れて行動を制限していては
窮屈でしょう。今回はブランクの功績に免じて、暴走の件は不問にしましょう」
「ありがとうございます」
「しかしヴェールマン司令。彼がもう一度暴走し、味方の命が危険に陥った場合……分かりますね?」
「………………始末は私がつけます」
「…………結構」
「では、今回の会議はここまでにしましょう。報告がある方は、早急にお願いします」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ