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パンデミック
第五十四話「報告と処遇」
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ですね?」


「「了解」」



「では次に、ブランクの処遇についてです」

この言葉を聞いた途端に、支部長の隣に座っていた幹部が立ち上がった。

「彼は敵と同じ適合者だ。暴走して敵に多大なダメージを負わせた。そこまではいい。しかし、問題は
暴走したブランクがヴェールマンを殺そうとしたことだ。……もしもう一度暴走した時は、どうする?
今度は味方を皆殺しにするかも知れない。ブランクを今まで通りにさせるのは危険なのではないか?」

ヴェールマンは座ったまま、その意見に反論した。

「暴走はしましたが、それで彼を危険視するのはどうかと思います。彼は我々にとって必要な戦力です。
暴走しないように導いてやるために我々がいます」

「彼は暴走し、君を殺そうとした。その時点で彼は敵と繋がっているかも知れないんだぞ!?
感染者の手引きを手伝った可能性だってあるんだ!」

幹部の言葉を聞き、座っていたネロが立ち上がり、反論した。

「おい、ブランクはエクスカリバー結成当初からのメンバーだろ。疑うってのはおかしいだろうが」

「座れネロ。立場をわきまえろ」

タガートに諭され、ネロは幹部を睨みながら席に座る。
ネロが座り、ヴェールマンが再び口を開いた。

「確かにブランクは私を殺そうとしました。しかしそれ以前に敵を殺そうとした。ブランクの攻撃で、敵も
少なからず損害を受けたはずです。そう考えると、ブランクは責められるどころか、称賛されるべきです」

「………しかし!」

「それに、ブランクはエクスカリバー結成当初からのメンバーです。なので、ブランクのことは知っている
つもりです。…………彼は敵ではありません」



「分かりました」


「支部長!?」

「ブランクについては、今後もヴェールマン司令に任せます。始めから恐れて行動を制限していては
窮屈でしょう。今回はブランクの功績に免じて、暴走の件は不問にしましょう」

「ありがとうございます」

「しかしヴェールマン司令。彼がもう一度暴走し、味方の命が危険に陥った場合……分かりますね?」

「………………始末は私がつけます」

「…………結構」




「では、今回の会議はここまでにしましょう。報告がある方は、早急にお願いします」
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