第二十五話 混沌
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タズム》」
アーチャーの一言と共にバーサーカーの周りに散らばる剣達がまとめて爆発を起こした。
その爆発の中心に居るバーサーカーも恐らく無傷ではない。
「……やったか?」
キリトの呟きが全員の耳に届く。
「〜〜〜〜〜〜arrrrrrrrrrr!!!」
だが、その願いも一つの咆哮でかき消される。
「……頑丈な奴だ」
アーチャーが呟く。
バーサーカーの鎧には傷が見えるものの、致命的なダメージは受けていない。
「…あの、爆発で…倒れないなんて……」
アスナがあり得ないものを見るようにバーサーカーを見つめる。
さすがに異常だ。
アーチャーの壊れた幻想はかなりの大火力を誇っていた。
だが、その攻撃を受けてもバーサーカーは立ち続けている。
この戦いで死ぬかもしれない。
この場にいる全員がそう思っていた。
―――――――ガチャリ。
バーサーカーが一歩踏み込む。
それと呼応するようにアスナが一歩後ずさった。
キリトは歯を噛み締め、それを睨みつける。
セイバー、そしてアーチャーは自らの獲物を構え、次の攻撃を迎撃する態勢を取る。
一瞬にも数時間にも思えるような沈黙。
両者の間に満ちる静謐なる空間…。
だが、その瞬間……。
いきなりの轟音が無音を破壊した。
全員が空を見つめる。
「…あれは―――!!」
キリトが思わず声を上げる。
一度見た事のある光景だ。
「……戦車?」
アーチャーが言った通り、それは古風な戦車であった。
もちろんただの戦車ではない。
本来馬が引くはずの戦車を牽いているのは牡牛、たくましい筋肉を躍動させながらも美しい牡牛だ。
それが壮麗な戦車を牽いて空中を駆けながら近づいてくる。
空を翔る戦車は居丈高に頭上を旋回しながら速度を緩め、地上に降りてきた。
戦車に乗っている騎手の姿が確認できる。
男は戦車を操作してセイバーとアーチャー、そしてバーサーカーの中間に降り立つ、その位置は戦闘を邪魔する形だ。
「双方、武器を収めよ。王の御前である。」
ここが聖杯戦争での一つの分岐点となる。
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