第二十五話 混沌
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ランサーはその様子をジッと見つつ、大きくため息をついた。
「―――さて、どうするお嬢ちゃん。俺達も行ってみるかい?」
おもむろに口を開く。
ランサーの隣に立っている少女……ライダーからは影になってよく見えなかったようだが、おそらく気配で気づいてはいただろう。
ランサーが自らのマスターであるサチに問いかける。
「……もう少しだけ様子を見てみよう。ライダーの狙いも分からないし――――――それまでは……」
「まぁ、仕方ねぇな」
ランサー主従はその場で静観を選ぶ。
まだ動く時ではない。
それが彼等の選択であった。
「(セイバーが居るっつうことは、あの坊主も居るってことだよな……)」
ランサーはセイバーのマスターである黒の剣士の事を思い出す。
数ヶ月前は、戦闘を行うことなく別れたあの黒と銀の主従。
あの時は互いに敵意を向け会う関係では無かった――――――だが今となっては……。
「(果たしてこの嬢ちゃんに出来るのかねぇ――――――ちょっと前まで仲間だった奴らを討つ事が……)」
ランサーはサチを横目で見ながらそう考える。
「……キリト」
サチはそう、か細い声で呟いた。
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「ハァァァァァァァァ!!」
戦いは拮抗状態にあった。
セイバーは、自らの剣技でバーサーカーを追い詰めようと、不可視の剣を縦横無尽に薙ぐ。
そして、セイバーが攻めを止め、その蔭から飛び出してくるのは、双剣を構えたアーチャー。
キリトとセイバーが来てくれたおかげで、彼はアスナによりHPの回復をする事が出来た。
体力が全快したアーチャーは、セイバーの手が止まると同時に跳び出し、隙を与えることなく双剣を振るった。
まさに隙の無い、二体のサーヴァントのコミュニケーション。
まるで長年連れ添った良きパートナーと言わんばかりに。
だが、それでも攻め切れなかった。
「Aaaaaaaaaahhhhhh!!!」
バーサーカーは両手に持つ二振りの剣を巧みに操り、セイバーとアーチャーの攻撃を見事に掻い潜っていた。
その洗練された防御は、決して破られる事も無くバーサーカーには傷一つ付いていない。
それどころか、防御をしながらもカウンターを狙っており、少しの隙が出来たら迷わずそこを突き、セイバーとアーチャーに傷を付けていた。
「(バーサーカー……以前戦った時とは別人のようだ。一体何が――――――)」
セイバーは戦いの最中、一つの疑問を感じていた。
バーサーカーと最後に戦ったのは、あの橋での一戦。
あの時のバーサーカーは、お世辞にも万全の状態とは言い切れなかった。
ステータスの差が明らかにあり過ぎた。
結果、バーサ
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