暁 〜小説投稿サイト〜
魔王の友を持つ魔王
§54 僕は君にこう言おう。鬼の如く、壊せ
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いったところか。

「……じゃあそれでよろしく。んでさ。鬼の腕ってどう思う?」

「鬼の腕、ですか? 中々厄介な代物ですね」

「欲しい?」

「は……? 強大な霊具ではありますし、是非拝見したいものではあります」

「欲しい?」

「……師祖?」

「欲しい?」

「……はい。頂けるなら、是非」

 それだけ聞ければ十分だ。

「そっか、ありがと!」

 携帯を切り、勝ち誇る。

「ほら見ろ! 許可とったぞ!!」

「……今の会話の何処に許可とった要素があんだよ。まぁいいや。俺は知らん」

 最終的に匙を投げた須佐之男命の協力を取り付けて、試行錯誤の繰り返し。疲れ切った須佐之男命達の顔を背に、ホクホク顔で黎斗は屋敷を後にする。





●●●





「マスターいつの間に……」

 帰り道で、エルが聞いてくるのは、いつ陸鷹化とアドレスを交換したのか、という疑問だ。それに関する黎斗の答えは単純明快だった。

「ほら、翠蓮たちが帰る前によーか土下座してたじゃん?「師父の師とは知らずに失礼いたしました!!」って。そん時に聞いてた」

 あの時の陸鷹化の表情は酷かった。この世の終わりのような表情で、更に全身真っ青。

「あぁ……」

 黎斗もエルも同情するだけでなく、甘粕が心配する程なのだからその深刻さが窺えるというものだ。

「……マスター」

「ん?」

「恵那さん、どうするんですか?」

「……いきなり話題切り替わったなオイ」

 エルの発言は、奇襲過ぎた。煙に巻かない機会を狙っていたのだろうか。

「もう少し期間が欲しい、というのが本音かな」

 人並みに異性に興味はある。ましてこちとら何百年も童貞拗らせているのだ。だが。

「……こっぴどくやられてるからね」

 最初に会った神殺しは、キスによる呪縛でこちらを洗脳してきた。今から千年近く前の話だ。初めてのキスが呪いとかもはやイジメである。そして、最初に出会った神は冥府の女王。殺されかけたことは忘れてはいない。

「女性は怖い、というのがね」

 エルはキツネだし、”雌”だから大丈夫だが恵那はそうはいかない。玻璃の媛だってまともに話せる様になったのは何百年前か。幼女みたいに殺しにかかってこないと安心出来る存在や二次元(がめんのむこう)は問題ないのだけれど。

「いつまでもそんなんじゃダメですよ?」

「わかってる」

 幸か不幸か。護堂(ハーレムやろう)の身近にいたおかげでこの数か月は女子と話す機会が激増した。恵那との同棲生活を得て、大分マシになってきてはいるのだが。

「もう少し、ね」

 せめて克服するまでは。

「……私達と違
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ