§54 僕は君にこう言おう。鬼の如く、壊せ
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いったところか。
「……じゃあそれでよろしく。んでさ。鬼の腕ってどう思う?」
「鬼の腕、ですか? 中々厄介な代物ですね」
「欲しい?」
「は……? 強大な霊具ではありますし、是非拝見したいものではあります」
「欲しい?」
「……師祖?」
「欲しい?」
「……はい。頂けるなら、是非」
それだけ聞ければ十分だ。
「そっか、ありがと!」
携帯を切り、勝ち誇る。
「ほら見ろ! 許可とったぞ!!」
「……今の会話の何処に許可とった要素があんだよ。まぁいいや。俺は知らん」
最終的に匙を投げた須佐之男命の協力を取り付けて、試行錯誤の繰り返し。疲れ切った須佐之男命達の顔を背に、ホクホク顔で黎斗は屋敷を後にする。
●●●
「マスターいつの間に……」
帰り道で、エルが聞いてくるのは、いつ陸鷹化とアドレスを交換したのか、という疑問だ。それに関する黎斗の答えは単純明快だった。
「ほら、翠蓮たちが帰る前によーか土下座してたじゃん?「師父の師とは知らずに失礼いたしました!!」って。そん時に聞いてた」
あの時の陸鷹化の表情は酷かった。この世の終わりのような表情で、更に全身真っ青。
「あぁ……」
黎斗もエルも同情するだけでなく、甘粕が心配する程なのだからその深刻さが窺えるというものだ。
「……マスター」
「ん?」
「恵那さん、どうするんですか?」
「……いきなり話題切り替わったなオイ」
エルの発言は、奇襲過ぎた。煙に巻かない機会を狙っていたのだろうか。
「もう少し期間が欲しい、というのが本音かな」
人並みに異性に興味はある。ましてこちとら何百年も童貞拗らせているのだ。だが。
「……こっぴどくやられてるからね」
最初に会った神殺しは、キスによる呪縛でこちらを洗脳してきた。今から千年近く前の話だ。初めてのキスが呪いとかもはやイジメである。そして、最初に出会った神は冥府の女王。殺されかけたことは忘れてはいない。
「女性は怖い、というのがね」
エルはキツネだし、”雌”だから大丈夫だが恵那はそうはいかない。玻璃の媛だってまともに話せる様になったのは何百年前か。幼女みたいに殺しにかかってこないと安心出来る存在や二次元は問題ないのだけれど。
「いつまでもそんなんじゃダメですよ?」
「わかってる」
幸か不幸か。護堂の身近にいたおかげでこの数か月は女子と話す機会が激増した。恵那との同棲生活を得て、大分マシになってきてはいるのだが。
「もう少し、ね」
せめて克服するまでは。
「……私達と違
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