§54 僕は君にこう言おう。鬼の如く、壊せ
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「というより呪力の貯蓄源としてよーかの呪力を蓄え、稼働する、みたいな。あとは過剰呪力による強化やら自己再生機構ぶちこみたいかな」
「で、完成品がコレと」
須佐之男命達の前に出したのは、人間の左腕のようなものだ。ただし色が紫と桃色を基調としており皮膚が無い。そのまま筋肉の繊維が見えており血管が浮き出て見える。ぶっちゃけ、グロい。
「なんというか、気色悪いですな。作成者の感性を憐れんでしまいそうな程に」
「黎斗に美的センスなんかある訳ないだろ。常識的に考えろ」
「これは確かに。失礼致しました」
「そこ煩い!!」
僧正め、なんてことを言ってくれる。まぁ、確かに美術の成績2とか3とかその辺だけれども。何故に感性を馬鹿にされにゃならぬのだ。
「しょうがないじゃん鬼の腕なんだからグロくて当然でしょ!!」
「畏れながら黎斗様、これでは使用者が人目を気にしてしまい使いにくいのでは……」
「うぐっ」
玻璃の媛にも暗にボロクソに言われ、黎斗のメンタルに亀裂が入る。
「性能は悪くない、がセンスが論外だな」
「むぅ……」
だが、鬼の手以外手段があるだろうか。神の手など人間に使えるような代物ではない。
「……護堂の”猪”から拝借……しても無駄か。手じゃなく足だしなぁ」
吸血鬼、も可能性はあるのだが。
「やっぱ鬼の手ってロマンだしなぁ……」
窮地の状態で「南無 大慈大悲救苦救難 広大霊感 白衣観世音……」などと唱えながら手袋を外す。封印されていた絶大なる力を行使する。
「ゼッタイこのシチュ燃えるって」
「お前の趣味を押し付けんなよ……」
須佐之男命の言にも一理あるのであまり暴走する訳にもいくまい。今回こちらは加害者側なのだから。
「ふむ。じゃあよーかにちょいと聞いてみますかね」
そういっておもむろに取り出す携帯電話。数コールで件の人物が出てきてくれた。
「これはこれは師祖ですか。陸鷹化、師祖の……」
「師祖って何さ。あとそんな長々口上述べなくて良いから。ぶっちゃけそんな大変なのは翠蓮だけで十分でしょ」
「いえいえ。師父の師父ともなればこの陸鷹化にとって師祖とも言える御方。礼儀を尽くさねば」
どうやら師父とやらの師父は師祖というらしい。父の父だから祖父、みたいなものだろうか。
「あ、さいですか……」
「……師祖が口上をあまり好まれないようですのでそこらは臨機応変にいかせてもらいます」
微妙な表情をしたのを察したのか、追記してくる陸鷹化。本当に、こちらの気配を探るのが上手い。と、そんなことに感心していたら微妙な顔の須佐之男命の顔。早く本題に移れ、と
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