4話
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くわかんない、って言っていたし。」
「あはは!そうかもしれませんね。」
慧音にいろいろ教えてもらいながら神社に向かう。
なるほど、敵意や殺意は妖怪として必要不可欠なのか。
実際に喰われることもあるみたいだから、怯える必要が無いわけでもないみたいだけれど。
妖怪と人間のバランスか。
そんなことを考えていると、視界に黒い塊が見えた。
(……なんだ?あれ?黒い……っていうか、暗いっていうか、そういうもんじゃない。)
ふよふよと漂っているだけのように見えるが、あれも妖怪なのだろうか?
「……ねぇ、慧音?あの黒い塊はいったい?」
「ん?……ああ、あれも妖怪です。あまり自分から人を食べることは無いですが、
たまたま鉢合わせたりしたら逃げるのをおすすめします。」
「そうなんだ……。でも、あの黒いのはなんなの?まさかあれが妖怪?」
「いえ、あれは妖怪自身で出している魔法の闇です。松明さえ無効化されてしまうので、
人が入ったら視界は無いと思います。気を付けたほうがいいですよ?」
様々な妖怪がいるんだな。人となんら変わらない妖怪もいたし、一人のときは
注意した方がいいな。
「さっきの話の続きですけど、これまた普通に人を食べたり襲ったりする妖怪もいるんですよね。」
「え!そうなの?」
「ほとんどいませんけどね。例えば向こうに見える大きな山。妖怪の山と呼ばれているんですけど、あそこの妖怪たちは仲間意識、縄張り意識が強く、侵入者を許さず排除しにかかるので、いかないほうがいいです。」
「妖怪にもいろんな奴がいるんですねぇ。」
「そこらへんは人間とそう変わらないかもしれないですね。」
力が強すぎる人間たちとでも考えればいいのだろうか。
まぁ、それは会って話してみないとわからないか。
そんなことを話してかなり時間が経った、と思う。
神社遠すぎだろ、初詣めんどくさそう。
「そろそろ着くと思いますよ?ほら、階段が見えてきたでしょう?」
ふむ、確かに見えていたが……階段上りたくない。
これ初詣ちょーめんどくさいパティーンじゃん。
「さて、なぜだか妖怪が襲ってきませんでしたね。普段なら神社までは
妖怪がでるのですが……。」
「え?そうなの?妖怪がいるっていう感じもしなかったけれど、いつもは居るの?」
「はい、というより参拝客がいない原因にそれもありますね。」
参拝客がいない?初耳だぞ、それ。そんな当たり前のことのように言われても。
人里の近くにだって神社も寺もそんなにあるわけじゃないし。
しかもそれ「も」って。他にもあるのか、いない原因が。
……そういやおばちゃんも、久しぶりに聞いた、なんて言っていたな。
「では、申し訳ありませんが私はここらで。寺子屋は休みですが
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