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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第七七幕 「最上重工」
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にべっとりと付着した白っぽい半透明な液体が糸を引く。よく見れば廊下の継ぎ目のような隙間からとめどなく溢れる得体の知れない白濁液が床全体に広まっているではないか!
「くそっ!?あたしは芸人か何かか!!舐めやがって・・・うわっぷ!?」
何とか立ち上がろうとするウェージだったが力を入れれば入れるほど滑ってしまうこの環境では生まれたての小鹿みたいな体勢しか取れない。しかも転ぶたびに体中にはよく分からない粘性の液体が絡みつき、非常に不愉快。液体自体も微妙に生臭い臭いがして、それが尚の事ストレスを増大させた。
が、こんなお笑い番組のスペシャルみたいな仕掛けでどうにかできるほどウェージは生ぬるい世界で生きていない。彼女は状況を見るや素早くシューズに搭載された特殊スパイクをアクティブにした。ナノレベルの細さと凄まじい強度を誇るコレならばたとえ足場が金属製でも歩くことが出来るというわけだ。
・・・そう、歩くことは出来るのだが。
ゴウンゴウンゴウンッ!!
「なっ!?今度はいったい何事だ!?」
突然大きな音と共に再びバランスを崩してしまった彼女は、しかしスパイクの力で何とか転倒を防いだ。ふと前を見ると、先ほどまで目の前にあった筈の研究室のドアが遠ざかっている・・・いや、これは。
「あ、足場がルームランナーよろしく動いているだとぉ!?ふっっざけんなぁぁーーーー!!」
そう、ドアが小さくなっているのではなく自分が物理的に遠ざかっていたのだ。スパイクで足場を固定してはどんどん後ろに流される。かといってスパイクを解除しては動くローション床に挑むという非常に無謀な行動をとらなければならない。無論そんな真似はやってられない彼女はこの悪趣味な仕掛けを作った人間に悪態をつきつつ別の装備を使用した。
「クソッタレが!こういうのはアミューズメントパークか自分の家でやれっつうの!!付き合って・・・られねぇ!!」
それはスパイ映画やアニメで登場するようなワイヤー。先端にある特殊粘着剤があらゆる物質と瞬時に接着する優れもので、鉤爪ワイヤーと違って引っかける場所など必要ない。腕部に搭載した射出装置が圧縮ガスと共にアンカーを撃ち出し――入り口近くの壁に命中した。
「よしっ!!ザマァミロ!工作員をナメるからこういう――」
瞬間、張り付いた壁が丸ごとバタンッ!!と倒れ込み、その先には何もない壁だけが残っていた。
彼女がドアだと思っていたそれは、言ってしまえば単なる張りぼてである。つまり彼女は偽物の入り口を目指すために必死こいてヌルヌルになりながら叫んでいた事になる。
「こっ・・・・・・のクソッタレ野郎どもがァァァァ!!!人を、人をおちょくりやがってェェーーーッ!!!」
怒りが頂点に達した彼女は、壁に挟まって動かなくなったワイヤ
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