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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第七六幕 「俺達を 見下すことは 許さない」
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うISだと直ぐにそう思い直したユウはアンノウンの高周波ブレードによる突きの連撃を徒手で迎え撃った。突きが脇腹の装甲を掠めたことを気にも留めずもう片方の剣を手の甲で力いっぱい弾く。同時に腰だめに構えた右腕で殴り飛ばそうとするが、予想外のタイミングで下から襲った膝蹴りが右足に激突し重心が大きく崩れた。
「くぁ・・・っ!?」
びりびりと奔る振動にたたらを踏んだ瞬間、その場で体を捻ったアンノウンの強烈な回し蹴りが脇腹に直撃した。
がきゃぁぁぁぁんッ!!
不自然なまでに蹴られた部分に衝撃の集中した蹴りによって横っ飛びに吹き飛んだ風花は再びコンクリートに叩きつけられた。ぱらぱらと落ちるコンクリート片が風花のボディを転がり落ちていく。
「かはっ・・・!げほっ、ごほっ!」
衝撃に顔を歪めてせき込みながらもユウは信じられない、といった顔でアンノウンを睨みつけた。アンノウンはこちらの様子を確かめるように暫く立ち尽くした後、再び飛翔する。
「なんだ、さっきの攻撃・・・あの膝蹴りも、あの回し蹴りも、“あんな威力が出るはずがない”ぞ・・・!!」
ユウが膝蹴りに不意を突かれた理由。それは相手の体勢にあった。いくらISのパワーアシストが強力だからといっても格闘攻撃全てが有効打になるわけではない。無理な体勢で放ったパンチやキックはダメージを与えるどころか逆に自身のバランスを崩すことだってありうる。PICの慣性制御を以てしても、ISが人体を模した構造をしている以上はそれ相応の体勢を取った攻撃でなければ十分な威力は出せないのだ。
だからそれを加味したうえで、ユウはあの瞬間「蹴りなど放てる体勢ではない」と完全に蹴りを食らう可能性を排除していた。―――にも拘らず、あのISは不自然な体勢からユウのバランスを崩せる威力の攻撃を放った上に追撃まで仕掛けてきた。回し蹴りとて明らかにISを吹き飛ばす威力を出すには遠心力が不十分であった。なのに、アンノウンの攻撃には“伴うはずのない威力”が付いてきていた。
そして、何度か追撃のチャンスがあったにも拘らず、あのアンノウンはこちらの様子を見てから行動を再開させた。前の無人機はこちらの攻撃動作に反応して最適な動きを導き出していた――つまり受動的だった。が、目の前のこいつはこちらの様子を見て行動を決めている――つまり能動的な行動を行っている。こいつは恐らく有人機だ。
「だとしたら・・・手を抜かれているっていう、そういう訳かよ・・・!上等ぉッ!!」
腰を落とし、両掌をゆっくり握り締める。ぎちぎちと
掌
(
マニュピレータ
)
から特殊繊維が擦れ合って軋むような音を漏らしながら、ユウは構えを取った。
舐められているという唯それだけの事。それがどうしようもなく腹立たしい。本気を出すまでもない、同じ土俵に立つまで
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