暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第七四幕 「社会見学」
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んですけどちょっといいですか?』

突然のストップ。何かISに不具合でもあったのか、と一瞬焦る成尾だったが、ユウのそれは彼の予測を裏付ける内容ではなかった。

『風花弐式って名前、打鉄弐式とちょっと被ってると思いません?』
「ええ、それは・・・確かに。社長が『風花は一度生まれ変わったのだから“改”では味気ない』と言い出してね」
『でも今のままもどうかと思いまして・・・実は新しい名前を考えてみたんです。名付けて《風花・百華(ひゃっか)》・・・どうでしょうか?』
「えっと・・・その心は!?・・・でいいんでしょうかこの場合?」

要約するとその名前にした意味を聞かないとリアクションしにくいと言いたいらしい。別に名前を変えるくらいなら社長は二つ返事で了承するだろうが、成尾も何故その名前にしたのか興味があった。

『ええっとね・・・それは―――』



= = =



友達の足取りはどんどん学校方面を遠ざかり、山に近い方へと進んでいた。不良少女の不信感はどんどん募ってゆく。

(あっちの方角に学生の遊ぶ場所とか、そもそも人の集まるような建物ねーぞ?あんのは無駄にでけぇ最上重工の本社くらい・・・アイツ何でこんな方向に向かってんだ?訳わかんねぇ・・・くそっ!)

彼女の人生の中でこれほど集中して一つの物事に取り組んだ例は稀有である。一つのものごとに集中できず、途中で投げ出してしまうのはご愛嬌。
このおバカは「勉強できなくとも女尊男卑社会だし何とかなるだろ」といろいろ間違ったことを考えている。女性優遇社会とは言ってもそれは就職にはさして役に立たない情報であり、現に日本でのニート及び浪人など職に溢れた人間の男女比はあんまり変わっていない。というかむしろ面接態度に問題のある女性が増加傾向にあり、試験結果がイマイチだと女でも割と容赦なく落とされる。「そんな事より利益を上げろ」がスローガンの労働社会で無駄にプライドだけ高い存在はお(つぼね)さんで十分ということだ。
閑話休題。そんな彼女の集中力も割と早い段階で限界を迎えた。彼女の視界から、ふっと友達が消えたのだ。

「んん?アイツどこ行った!?こっちの路地か!?」

急いで見失った地点に走った不良少女だったがそこに友達の姿はない。暫く周囲を探し回ったものの全く手がかりがつかめず、最後の手段と本人に電話をかけてみても何故か圏外。不良少女は肩を落とした。

―――そこで諦めていればよかったものを、不良少女は妙な所で諦めが悪かった。

「あたしの推理によれば!この辺にはちょこちょこある民家とマンションみたいな建物のみ!となればあいつが向かった先は最上重工本社に違いないわ!我ながら名推理♪」

その辺に知り合いが住んでいるとかは推理の勘定に入っていない。馬鹿は都合の悪
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