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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第七三幕 「貴方の隣に居座る混沌」
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て止めた。言ってこれ以上セシリア談義を広めると後々面倒になりそうな気がしたからだ。だがユウの予想はある意味当たっていた。彼女が専用機を求める切っ掛けはごく最近の出来事だった。
「私、この前大会で優勝した時にちょっと悪口言われまして。『セシリアお姉さまの強さを利用してお零れをもらってる』って」
「ぞっとしない話だね。ホント感心しないよ」
「・・・悔しかったです。私だってお姉さまのために頑張ったのに、周りからはそんな風に見られてたと思うと・・・口惜しいです。遺憾です」
少し肩を縮めて俯くつららの言葉にユウは思わず顔を顰めた。人がたくさん集まる場所なのだから、必然的に他人を貶めるようなことを言って不満を解消しようとする人間はいるだろう。ユウのいた中学には不良が多かったためそういった事柄にある程度の理解はある。だが、理解と許容はイコールではない。
それにつららのIS捌きは結構なものだ。恐らく専用機持ちを除けば佐藤さんに次ぐだろう。決してセシリアさん頼みの素人ではないのだ。彼女にもそんな邪な目的でセシリアを慕っている訳ではないことは彼女を知る人ならよくわかっている筈だ。せめて、その子たちがつららに近しい1組の人間であってほしくないな、とユウは思った。
「お姉さまは凄い人です。だからこそ、お姉さまについてゆくには周りに笑われたりしない立派な操縦者にならないといけないと思って・・・」
「・・・そっか。確かに素晴らしい人に付き添うなら、そういう意識も必要なのかもね」
その言葉に言いたいことはあったユウだが、セシリアが時たま「文句があるなら実力を示せ」と言っていることを思い出した。セシリアのそれは一見乱暴な理論に思えるが、世の中力のない人間に耳を傾ける者は少ないのが現実だ。理想を叶えるにはそれに見合った力が必要、とは誰の言葉だったか。
「はい!そーいう事なので、ここらで箔をつけてお姉さまの隣にふてぶてしく居座ってやろうとそう思ってた矢先、スカウトの人たちが来たんです。何人かいて皆熱心に勧誘してくれたんですけど・・・社長さんだけ会うなり『うちの新型に乗らないか?』って」
つららは落ち込みから一転、ぱっと花のような笑みを浮かべた。この世の中で我を通すためにある種の我儘を通すセシリアと一緒にいるのならば、周りに文句を言わせないだけの実力が必要という事なのだろう。その形の一つが新型機という訳だ。
「最上重工のISは未知数な所が多かったんですけど、風花とユウさんを見てたら興味が湧いちゃって」
「へー・・・こんな所に思わぬ宣伝効果があったんだ」
えへへ、と後ろ頭を掻くつららの言葉にユウは少し驚いた。
―――迷惑かけてばっかだと思ってたけど、こうやって貢献することも出来るんだな、とユウは感心する。ただISを乗り回しているだけで会社
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