番外8話『気づけば』
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ることの違いを考えてしまうのかもしれない。
「だから、頼むよ」
「……」
「もっと俺のことを頼ってくれ、迷惑をかけてくれ……ナミと一緒にいさせてくれよ……な?」
「……」
「俺は……ずっと……ずっとお前と一緒に……お前の側にいたいんだ」
「……」
あれ?
「……ナミ?」
「……」
反応がない。
少し好き勝手言い過ぎただろうか? そう思ってナミを見るけど、ナミの表情は別に怒っているわけではなさそう。
というか少し呆けてるというかボーっとしてるというか……そんな感じだろうか?
あ、あれ……俺けっこう熱弁したつもりだったんだけど聞いてなかったパターンとか?
「……ナ、ナミ?」
ナミの顔の前で手をふる。
「ぅ」
お、反応あった。
けどそこからのナミの様子がまたおかしい。
赤い顔をして俺から視線をそらして、顔を天井に向けたり、床に向けたり、俺に向けたと思ったら、またどっか別方向に向けたり。
……ん?
……あれ?
そこで、気づいた――
「……え、えと……そ、その……私も、その……ハントと、ね? あの……私もハントと一緒にずっと――」
――ナミの顔が赤いことに。
「――ナミ! 顔が赤いぞ! お、おおおまおまお前ままままさかまた病気が再発したのか!? ちょ、大丈夫か!?」
「いや、あの……そうじゃなくてね、ハント? 私もハントとずっと――」
「――いやいやそうじゃないわけないって! 顔真っ赤だぞ!? 真っ赤!! 病気にうなされてた時ぐらい真っ赤だって!」
「は、ハン……――」
「――ダメだ! これはだめだ! とりあえずベッドで寝て安静に!
「……」
「あ、いやそれよりも上で騒いでる奴らに言ってまた医者のところに連れってもらわないと!」
ナミの手をとって走り出そうとして、その手が力を込めて連れていかれることを拒否するという態度を示した。
「ナミ!? どうしたんだ! 今はまだ体力あるかもしれないけど――」
「――違うわ、どアホ!」
「うぉぬふっ!」
いきなり殴られた。
あぁ、自分から漏れた声が恥ずかしい。
というかあまりの威力に床にたたきつけられてしまった。
「ふん! 顔が赤いのは病気のせいじゃないし、なによりこの船にはもう船医のってるの! 今、歓迎会やってるからあんたもすぐに甲板に来なさいよ!」
そのまま、ずかずかと踵を返して行ってしまうナミに俺はいまだに床にたたきつけられていて声をかける暇すらなかった。
ま、まぁ船に船医がいるなら大丈夫だな……うん。
というか俺だってずっと……って言ってもどれくらいかわからないけど、たぶん結構長い時間寝てたんだからもうちょっと俺の心配をしてくれ
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