自称王と他称王
七話
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乗せ、砕き飛ばす。だが術式を死なさず相手に届かせる。受けた者は身に届いた乱雑な術式を強制発動させられ、体内で事故を起こし、体外からも覇気の波動で焼かれる。
だが、アレクの打ち出したものはまだ擬き。魔導を怠った故に術式は散り、覇気の波動だけが残された。
そして本来ならば、まだアレクは使えぬ筈だった。まだ知らぬ業の筈だった。だが、アインハルトに打ち飛ばされ朦朧とした意識の中で訴えるものに任せた結果、放ててしまった。漸く受け継がれた戦闘経験が芽吹いてきたのだ。
ただ、アレク本人は命令されているようで気に入らない。一々口出しされている気分だ。
落ち着き、覇気を練ろうとしても、同じだった。もっと身体も活性化させろ、龍穴も開け。そんな事を言われている……気がする。ついでに身体が勝手に従い行おうとしている……気もする。
もっと自由にやらせろ、と思うが相手は自分に植え付けられたもので、此方は口出しすら出来ない。抑々どうやったら文句を言ってやれるのか判らない。
「ちっ……ああっ、くそっ!」
ダンダン、と地団駄を踏むが当然そんなもので治まらない。ついでに胸が凄く痛い。余計にイラついてくるだけだった。
ならば、八つ当たりでもして気を晴らそう。寝ているのなら起こしてボコる。死んでいても起こしてボコる。アレクはそんな事を考えながら、アインハルトの消えた方へノッシノッシ歩き始めた。
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