第五話:崩れ去った日常
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エレン達と遊んでから一週間ほどが経過した。あれから体の具合は完全に戻り変わらない日常を過ごしていた。
今日は仕事も遊ぶ約束もなく、俺は街をブラブラと歩いていた。
「あ〜〜、暇だ」
今日は、エレン達は仕事に行ってるらしいし、フローラも家で母さんの手伝いをしている。勿論、俺も手伝おうとしたがフローラに
「家事を手伝う?い、いや、いいよ!わ、私だけで大丈夫だから!!シ、シル兄は街に散歩でもしに行きなよ!!」
と、断られてしまい見慣れた風景を眺めながらのんびりと歩いている。
「さて、と………暇だな、うん。なにか、面白いものはないかなっと」
カン!カン!カン!カン!カン!カン!
この鐘は……調査兵団か!!
「調査兵団が帰ってきたみたいだぞ」
「ああ、行ってみようぜ!!」
「正面の門が開くぞ!」
調査兵団が通る道まで行くともう、既に人垣が出来ており近くにあった空き木箱の上に乗ることでようやく見ることができた。
しかし、そこから見えた光景は想像を絶するものだった。
腕が無くなっている者、足が無くなっている者、目が潰れている者、体のほとんどが包帯で巻かれている者。
調査兵団のメンバーの全員が絶望したような顔で道を歩いていた。
人垣から出て来た女の人が、息子を探し調査兵団からその息子の腕を受け取っている光景も見られた。周りからは情けないといった声や泣き声、嘆き声、怒りの声が上がっていた。
俺は呆然とその光景を見続け人垣が散ってもその場から動くことができなかった。
俺は調査兵団を見て巨人に圧倒な巨人を感じていた。
気付いたら俺はいつの間にかその場に座り込んでいた。
「帰ろう」
とても散歩などする気は起きずに無意識にそう呟いていた。
俺は家がある方向に向かって歩き出した───瞬間
ドォオオオオオオオン
その音を耳にしたと気付いた頃には体が宙に浮いていた。地面に叩きつけられ体に痛みを感じつつ周りを見渡すと、皆、壁に目を向けていた。それにつられて顔を上げ、壁を見た。そこには、壁の上に大きな手のようなものが壁を掴んでいた。思わず俺は後ろに数歩後退していた。
ゆっくりとその手の本体が姿を現す
そして、それが体を起こしきったとき俺の目に写っていたのは、見間違いようもない。50メートルもの高さの壁を超える奴─巨人だった。
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