第十一話
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在、私達を補足出来ていないのは間違いない」
「なるほど。確かに今からウルヴァシーには帝国軍本隊はおらず、決して少なくはありませんが惑星駐留艦隊司令官のシュタインメッツ提督の艦隊があるだけですな」
艦砲射撃の有効射程は条件によって10光秒にも達する。惑星軌道上からの砲撃は大気による減衰を含めても十分地表に届く。民間人の存在を気にする必要はない。
ウルヴァシーでの戦闘は終始同盟有利に進んだ。ウルヴァシー駐留艦隊は数の上で同盟軍の半分程度であり、また司令官の質においてもシュタインメッツ提督の能力が決して低いわけではないが同盟司令官のヤンには及ばなかった。
ウルヴァシーでの戦闘の後、同盟宇宙艦隊総旗艦リオ・グランデでヤンは自身の戦略の全容を明らかにした。
さすがに総旗艦ともなると旧式旗艦であるヒューベリオンではまずいと思ったのかヤンは乗艦を移している。
「言うまでもなく帝国の戦力は膨大です。5個艦隊いえイゼルローン方面を合わせれば6個艦隊ほど、それだけの戦力を叩いてもなお同盟の3倍ほどの戦力を保有していると見るべきでしょう」
「正直なところ帝国に勝つと言うビジョンが見えませんな。どういう策を持って対処するのかそろそろ説明してほしいところです」
部下たちの発言の後ヤンはいつものように星図をスクリーンに映し出し説明を開始する。星図には同盟領とフェザーン・イゼルローン両回廊さらには帝国領の半分ほどが映されている。
「帝国の本隊と真正面から戦っても勝ち目はない。だからと言って第一次ラグナロック作戦のように事実上の皇帝ラインハルトとの一騎打ちに持ち込もうとしてももはや乗ってはくれないだろう。だから今回はラインハルトを殺さず、本隊ともまともな戦いをしない戦略を採用した」
同盟艦隊の動きと帝国艦隊の動き、それと会戦を表すマークが表され星図の上に書き足される。
「バーラトの和約から期間が余りたっていないので同盟領に点在する補給基地を利用し今まで補給してきた。同盟領においては事実上補給線を無視した作戦が取れている」
星図にさらに同盟の補給基地が書き足される。
「今までは帝国艦隊の戦力を削ぐことを目標に行動してきた。帝国艦隊をが分散しているのを狙って撃破してきたので帝国は戦力の分散を最小限にとどめている。これによって最終目標の実行が可能になる」
会議場にいる皆がかたずをのんで見守る中ヤンがついに最終目標を口にした。
「最終目標はフェザーンだ」
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