暁 〜小説投稿サイト〜
戦争を知る世代
第十五話 新しいチーム
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事は、敵にとってもう一つ気になるものがある。」

「ん、それって何?」
ハナは首を傾げている。

「分からない?僕達は、単独で潜入している訳ではないよね?」
僕は、あえて答えを全部言わない。別に変な意図はないけど、状況を理解してない事はとても怖い。

「あ!もしかして、陽動している部隊の事!?」
あ、それだ、と言うように答えた。

「その通り。潜入している部隊がいたという事は、国境付近で戦っている部隊は、“陽動”ではないか、そう思うのが普通だね。となると、陽動部隊に苛烈な攻撃を加えて、調査自体をさせずに撤退させるだろうね。陽動部隊が壊滅、若しくは撤退してしまえば、調査なんて出来ないから。」
と、トバリ隊長が間に入った。・・・僕が言おうと思ったのに。しかし、何にせよ、急がないと本当に陽動部隊への攻撃が激しくなって、調査が出来なくなる。

「じゃあ、急がないと!」
カタナが、急かすように言う。それに、全員がうなずいた。僕達は、それを合図に走りだし、先を急いだ。ただ、周りに注意を向けながら。こうなった以上は、いつどこで敵と出会うか分からない。むしろ、神無毘橋に近づけば近づくほど、その可能性は高くなる。ふと、今まで考えないようにしていた事が、頭に浮かぶ。・・・僕の、ふしみ一族の力・・・あの感知能力を使うことが出来れば、この状況も少しはマシかもしれない。しかし、あの力はまだ、意識的に使うことが出来ないでいた。この任務の日までも、自分なりに修行して“力”を使えるようにとやったが、何も進歩はなかった。正直・・火影様は、そのうちに“お稲荷様”に会えると言っていたけれど・・・どうすればいいのか、全く分からなかった。そんな事を考えていると、前を走っている隊長が“止まれ”の合図をして、体勢を低くした。僕達は、それに習って体勢を低くした。

「隊長?」
ハナが、小さい声で隊長に問い掛けた。

「敵だ・・・どこかにいる。」
隊長は、小さい声でぼそっと呟いた。その眼は鋭く、周りを隈なく見ていた。

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