第十五話 新しいチーム
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故かハナに隊長諸共、怒られる事が多い。・・・隊長が年齢の割に子供っぽい所があるからだろうか。
「さ、私たちの目標は“神無毘橋”だよ。前々から注目されていた橋なんだけど、最近になって、どうやら橋自体が補強されたみたいなんだよね。なので、その補強具合と周辺の調査を行います。ルートは、先ほど、イナリ君が言ったルートね。何か質問ある人は?」
誰も、手を挙げる者はいない。
「じゃ、行こうか。隊列は、私、カタナ君、ハナちゃん、殿にイナリ君で。いいかい、私が合図したら、すぐに止まること。」
「「はい。」」
僕達は、しっかりと答えた。そして、一列になって出発する。進むルートは、神無毘橋までまっすぐ進むのではなく、迂回するような形で目的地を目指す。神無毘橋は、暁の森の岩隠れ側にある幅30mほどの川に架けられており、川が崖を削り、水面と地表の高さに差があるのが特徴だ。橋自体は、暁の森の北西部辺りにある。それをほぼ、森の外縁を通り、大きく回り込んでから橋に近づく。つまり、雨隠れの里側を通り、岩隠れの勢力圏に入る事となる。
ルートの半分程まで進んだ頃に、小鳥が隊長に向かって飛んできた。隊長は、勝手を知るように、その小鳥を指の先に止まらせた。その小鳥の足には、小さな筒が付いていた。隊長は、そこから小さく丸められ紙を取り出す。
僕達が訝しげな顔をしているのが、分かったのか、
「あぁ、これは伝書用の鳥でね。戦場や通常の時でも、連絡を取り合うために使っているんだよ。」
と、答えてくれた。なるほど、伝書用か・・。隊長は、その丸めてある紙を広げて読み始めた。しかし、それを見ているうちに少しばかり、顔の表情が硬くなった。そして、僕たちの方を見た。
「三人とも、作戦変更だ。」
「どういうことですか、隊長?何かあったんですか?」
カタナが、率直な疑問を問い掛ける。僕も、ハナも同じ事を疑問に思っていた。
「今から2時間ほど前に、“天地橋”を調査していた小隊が、敵の攻撃を受けた。」
!? 天地橋は、僕達が調査予定の神無毘橋と同じ川に架かる橋だ。神無毘橋よりも上流にあるが、ここからそれほど遠くない。そこを調査していた小隊が攻撃を受けたという事は、他の橋も警戒されている可能性が高い筈だ。
「このまま、決めたルートを通っている時間は無くなった。そこで、ここから最短距離で神無毘橋を目指そう。」
「・・・隊長、ちょっと、時間を置いてからの方が、敵の警戒も少しは緩んでいるのではないですか?」
ハナが問い掛ける。橋を調査していた木ノ葉がいたという事に、今敏感に反応しているところだ・・・という事だろうか。でも、それは違う。
「ハナ、それは違うよ。ハナの言う通り、今、一番敏感になっているかもしれない。でも、橋を調査していた部隊がいたという
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