第十五話 新しいチーム
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は少し向こうにあるベンチを指差しながら、彼らに問いかける。
「立ってるのもあれだし、向こうで座って話そうか?」
「「あ、はい。」」
そのベンチは木で出来た机があり、それの周りを、ぐるっと椅子が囲んでいた。私が最初に座り、その後に彼らが私の前あたりに座った。
「さて、話す事は色々とあるんだけど・・・まず、一つ目の重要事項、君達三人は“下忍”となります。」
「え!?どういうことですか?」
イナリ君が声をあげた。他の二人も驚いた顔をしている。
「どういうことって、まぁ、この前の戦闘での戦果が認められて昇格、という形だよ。」
木の葉では、通常は試験を経て“下忍”“中忍”“上忍”と昇格するが、戦時中は別。試験なんて悠長なことはやっていられない。だから、戦果を中心に戦果報告委員会や火影様、上役達が決める事となっている。
「ですが・・・それでは前よりもっと、任務が危険になるじゃないですか!?」
机を両手で叩きながら、イナリ君が立ち上がった。
あ、そういうことか。確かに、位が上がれば上がるほど危険な任務が増えていく。彼らはアカデミーの生徒だった。確かに不安だろうし、何故、僕たちがって思うかもしれない。私は両手でイナリ君の両肩を掴み、座らせる。
「あぁ、まぁ、確かにイナリ君の言う通り、任務はより厳しくなる。君たちはアカデミーの生徒で、きちんと卒業もしていない。だから“下忍”でもなかった。それ故に、任務も軽いものが任される。まぁ、前のはイレギュラーだけど。」
一度話を切って、三人を一人ずつゆっくりと顔を見る。それから、出来るだけ穏やかなトーンで話し始めた。
「君たちはアカデミーの生徒ではあったけど、“忍”だよね。何が心を決めるのか、それは人それぞれだけど、でも“里”や“国”を守ること、そして、“火の意志”を後世に伝えていくこと、この二つは忘れないで欲しい。君たちは10歳になったばかりだけど、もう君たちより年下の子達はアカデミーで勉強をしているよね。その子達を守らなきゃいけない、伝えていかなくてはいけない、そう思って欲しいんだ。・・・まだ、自分達が“伝えられる立場”の人間だと受け身にならないで。」
三人とも目を伏せて、私を見ようとはしていない。10歳で“命を掛けろ”と言っているのだから、無理もない。ただ、この覚悟が出来るか、出来ないかで、戦場での生存率は変わるものだと私は思っている。
「・・仰っていることは分かりますし、理解できます。ですが・・・」
そう言いながら、イナリ君はカタナ君、ハナちゃんを見た。ああ、そうか・・・彼が気にしている事は、己自身の覚悟とかそんな話ではない。彼の・・大切な人が傷付くのを恐れている。火影様から、イナリ君はそういう子だと聞いていたな。その歳に見合わない、辛い過去を持っている事が
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