3話
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こうの寺子屋に居ますから。」
「なにからなにまで、ありがとうございます。」
「いえいえ。それでは、私はこれで。」
「はい、ありがとうございました。」
宿に入ると、そこそこな年齢の女性が受付をしていた。
「すみません、一晩だけ、お願いしたいんですけど、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。お客さん、もしかして外来人かい?」
「え?ええ、そうです。」
「はぁ、そりゃ大変だねぇ。一晩くらいだったら、好きにしていいよ。」
「え!?でも、お金は……それに、嘘ついてるかもですよ?」
「いいのいいの!嘘だったら地獄まで追いかけまわすけどねぇ……。」
「い、言え!嘘ではないです。では、お言葉に甘えて。」
「ああ、まぁ、好きにといっても、奥ぐらいしか空いていないけどね。
今なにか作って持っていくよ。お腹空いているだろう?」
「助かります。では、先に部屋のほうへ行ってきます。」
涙出そうだ。ここまで人にやさしくされたのはいつ頃だろうか。
無かった気がする。
―――数分後―――
ドアがノックされ、おばちゃんの声がした。
「いるかい?ご飯持ってきたよ。」
「あら、すみません!今行きますー。」
思ったより早かった。慣れているのだろうか。
というか、部屋なんでわかったんだろう。
「待たせたねぇ。簡単なものしかないけれど。」
簡単なものには全然見えない。流石おばちゃん。
「そんな!ありがたいです!こんなに気を遣ってもらって、すみません。」
「いいんだよ、これくらい。朝になったら声をかけてね。」
「はい、わかりました。」
テーブルに食事を置き、口に運ぶ。
「うふぅ、めっちゃおいしいぃ……。」
あまりのおいしさに変な声が出てしまった。
一日も経っていないと思うが、久しぶりの食事。
よくしてもらったことも相まって、涙がでそうです。
「……っふぅ。ご馳走様でした。」
さて、そういうえば食器はどうすれば……と、
洗い場の横に置くとこがある。自分で洗ってあそこに入れればいいのかな?
一応見てみると、どうやら間違っていないらしい。
念入りに食器を洗い、寝る準備をする。
今日はほんとに疲れた。密度が濃すぎる一日だった。
これからどうしようか?明日巫女さんに会って、それからはどうする?
住む家は?お金も無限じゃない。仕事をして稼がねば。
様々な不安が残るが、まぁ、しょうがない。
今はとにかく眠ろう。眠いから。
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