高校一年
第三話 どうしてここへ?
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を立てて口を大きく開けるジェスチャーをして見せた。
どうやら本気で、問題の所在が分かっていないようである。
「……ボーイズのチーム名を言っても、何の事だか分かるはずないだろうが。アホだな。」
宮園がポツリと呟いた。
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「好村、昼飯買いに行かないか?」
ホームルームが終わると、昼休みとなる。
宮園は翼に歩み寄り、購買へ誘った。
翼はその誘いに乗った。鷹合も一応誘おうと思ったが、女子にメールアドレスを尋ねて回るのに忙しいらしかったので断念した。
「あ、あのっ」
2人が教室を出て行こうとすると、追いすがってくる女の子が居た。髪が短く、背が低い。愛嬌のある丸顔をしていた。
「宮園くんっ!メアド教えて!」
「あぁ、メアドね。良いよ、交換しよう。」
勇気を出して言った感のある女の子に対して、宮園はニコリと微笑みを返して対応した。宮園は見た目も良いが、しかし紳士を演じるのもどうやら上手いようである。本質がナイスガイではない事は、翼に対して見せるような尊大な態度からして明らかではあるが。宮園はポケットからスマホを取り出して、女の子が見せるメールアドレスを打ち込んだ。その場で一通送信し、女の子からの返信をもらった。
「えーと、青野真美ちゃんだっけ?」
「あ、あ、うん!」
「メールだけじゃなくて、直接話してくれても良いよ。じゃあね。」
最後にもう一度笑顔を見せて、宮園はその場を離れる。翼はそれに続いた。
「お前はメアド交換しなくて良かったのか?」
しばらく歩くと、宮園が尋ねた。
翼はそれを尋ねた宮園に首を傾げた。
「え?だって俺にはあの子聞かなかったろ?」
「俺とも交換しよう、と言えばできる流れだったぞ、あれは。お前、田舎者のついでに、女に対しても奥手なのか?」
小馬鹿にしたように笑う宮園に、翼はムッときた。彼女が居て、そしてその彼女に焚き付けられたが為にこんな所に(不本意ながら)居る翼としては、その嘲笑は心外にも程がある。
「俺にはもう立派な彼女が居るんだよ!女のアドレスなんて必要あるかよ!」
「彼女が居たらそれ以外の女と関わっちゃいけないなんて事はないだろ。この年頃の彼女なんて簡単に別れるもんだろうに。もったいないなぁ、青野チビの割には乳デカかったぞ」
昼休みという事もあって、購買には行列ができていた。昼休みの学校には付き物の光景だ。
他にどうする事もできないので、2人はその行列に並んだ。
「お前、本当に野球部入ってなかったのか?冗談じゃなく、本当に」
「ああ。本当の本当に、“草野球”出身だ」
「で、甲子園の夢を追ってはるばる離島から、か。お前、面白いな。彼女が居るから他の女に興味はないってのにして
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