決戦への準備
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けどね。ま、お情けで最終通過したお前に、見つけられるとは思わないけど? あははははっ」
慎二が腹を抱えて笑う様は、こちらを小馬鹿にしているとしか思えない態度をしながら立ち去った。情報とはおそらく、慎二のサーヴァントのことだろう。
この戦いは、情報があるかないかで大きく変わるのを昨日知った。それをみつからないように隠すのは、当然の手段。
だけど、俺の場合、真名もわかっているため、隠されても対して問題はない。慎二は気づいてないようだけど…………しかし、隠したってことは、慎二の性格からして無断で持っていったんだよな。
(他に使う人が困るかもしれないな)
図書室の本を無断で持ち出すの良くないことだ。どんな本が隠されたかわからないけど、慎二から取り返した方が良さそうだな。
「アーチャー、アリーナにいくぞ」
『ほぅ…………ずいぶんとやる気じゃないか』
アリーナの入り口に向かって、階段を下っていくと、一階のホールにたどり着く。そのままアリーナに直行したかったが
「あっ、衛宮君。久しぶりね」
「げぇっ!?藤ねえ」
呼び止められ振り返ってみると藤ねえがいた。そうか、今日はここにいる日なのか。
「衛宮君、ところで例のものは?」
「……………どうぞ」
端末を操作して、竹刀を取り出す。竹刀を受け取った藤ねえは、
「ありがとう、衛宮君!あっ、それともう一個頼んでいい?」
笑顔で尋ねてくる。長年の経験から知っているが、こういう時は、断っても無理矢理やらせるからな……………腹を括るか。
「いいよ」
あっ、ちょっとだけ本音が出てしまったけど、気づいてないからいいか。
「ありがとう!!実は、私がデザートに食べようと思ってたミカンがアリーナの何処かに行っちゃったのよ。探してくれない?」
竹刀の次は、ミカンかよ。冬になるといつもバカみたいな量を持ってきてたな。
セイバーがきてからというもの、消費するのが楽になったっけ。でも、小さい頃は無理矢理食わされて、手が黄色を通り越して黄土色に近くなってたのを俺は一生忘れない。
「はぁ、わかったよ」
「それじゃ、お願いねーーーーっ!!」
それだけ言うと藤ねえは、何処かに走り去って行った。自由気ままとは藤ねえのために存在する言葉だと俺は思う。
『………………いくぞ』
「………………そうだな」
今おきたことを頭から消し、アリーナへと向かった。
≪一の月想海 第二層≫
先には、第一層とは一線を凌駕する光景が広がっていた。沈没した船の残骸、そしてもくもくと活動している海底火山の脈動する姿。
まるで、誰かが抱いている深海の神秘
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