転生男子と学園祭 その一
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らうわよ」
その生徒会長の言葉を聞いて俺は考えを巡らす。
襲撃の時間は解らないが、もしかすれば一時間も経たないうちにあるかもしれない。
観客参加型演劇に協力することになり、もし一夏と行動を共にすることにでもなれば、襲撃現場であるあの第四アリーナの狭い更衣室でISを展開し戦うことになるだろう。
今の俺ではオータム様とまともにやりあえるとは思えん。
しかも、俺がうっかり人質にでも取られたら、一夏や助けに来るであるだろう生徒会長の行動を制限するとこになる。
最悪、白式が強奪されるなんてことにでもなれば目も当てられない。
ここはクラスの仕事があることを理由に生徒会長への協力を断るのがベストかもしれない。
「生徒会長、すみませんが俺は協力できませんよ? 午後は自分のクラスでやることがありますから」
「なら生徒会長権限で――」
俺は生徒会長の言葉を遮った。
「そういうことをされると俺が困るんです。暇な時なら生徒会の仕事でも何でも手伝います。ですが、今回だけは許してください」
俺は生徒会長に頭を下げた。
俺の言葉を聞いた生徒会長はどう思ったのかは知らない。
生徒会長は何かを言いたげではあったが、ここは引き下がってくれた。
そう言えば、観客参加型演劇の演目は一風変わったシンデレラだよな。
王子の王冠に隠された軍事機密をドレスを纏った女子たちが、王子から王冠を奪い取る――みたいな話だったか。
実はこれには裏がある。
王冠を奪い取った人間にはもれなく寮での部屋が一夏と同室になる権利がついてくる。
この権利があるために一夏周りにいる女子五人は必死になって王子さま役の一夏から王冠を奪い取ろうとするのだが、結局言い出しっぺの生徒会長が王冠をゲットするんだよな。
それにしても一夏は王子さま役をやるにしても、俺にはどんな役をやらせるつもりだったんだろうな。
そんなことを考えつつ俺は一年一組の教室を後にした。
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