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インフィニット・ストラトスの世界にうまれて
転生男子と学園祭 その一
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普段とはまったく違う光景が広がっていた。
授業に使っていたものは一切なく、今は丸テーブルにクッションのない丸みをおびた大きめの背もたれがある椅子が二脚か三脚。
これをワンセットにして教室内にいくつか置かれていた。
テーブルや椅子を含め、室内の装飾もブラウン系の色で統一された室内は落ち着いた雰囲気を感じさせる。
教卓があった辺りには長テーブルが置かれ、純白のテーブルクロスが敷かれている。
そこには所狭しと皿やらコップやらご奉仕喫茶に必要な物が載っていた。
キッチンを見回しても一夏はおらず、代わりに見つけたのが鈴だ。
メイド服を着た鈴は忙しそうに働いていた。
俺と目が合った途端向かっていた方向から踵を返すと大股で迫ってくる。
そして開口一番、

「アンタが四組にいっちゃったおかげであたしの仕事が増えたじゃない」

と文句を言ってくる。
それは悪いことをしたなと思って謝ったが、俺は鈴の言葉を聞いて噴き出しそうになっていた。
原作では二組に所属していた鈴は、一組の――というか、一夏のせいで二組の出し物である中華風喫茶にお客さんが来なくて閑古鳥が鳴いているみたいなことを言っていたはずだ。
今俺の目の前にいる鈴は、その逆のことを言っているのである。
それで可笑しくなったのだ。
鈴のメイド服を眺めてみれば、これはこれで非常に可愛らしいのだが、一組にいるせいで中華風喫茶の衣装、赤い色のチャイナ服姿が見れないのは残念至極である。
俺は鈴の意識を逸らそうとそれ似合ってるなと誉めてみた。

「そう?」

俺に誉められた鈴は身体をよじりながら自分のメイド服姿を改めて見ている。

「ああ、その格好を一夏が見れば惚れると思うぞ」

「俺がどうかしたのか?」

「い、一夏!」

鈴はいきなり一夏の登場に身体をピクリとさせていた。

「鈴のメイド服姿が似合ってたからな、一夏が見たら喜ぶぞって今話してたところなんだ」

俺の言葉を聞いた一夏は鈴のメイド服姿を上から下へと眺め、

「そうか。鈴、すごく可愛いと思うぞ」

とそう言った。
一夏に誉められたのがよほど嬉しかったのか頬を赤らめ照れ臭そうにしている。
そんな二人を眺めていると制服の袖を引っ張る人間がいた。
誰なのかと見てみればそれはセシリアで、しかも目は半目状態であった。
セシリアの心情を察するに、なぜ鈴さんばかりを……わたくしだって一夏さんに誉めて貰いたいですわといった感じか。
一夏に挨拶にきただけなのに面倒なことになったと思ったが、ついでとばかりにセシリアのことを一夏に伝えることにした。

一夏に挨拶も済んだことだし帰ろうかと思った時だ。

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