転生男子と学園祭 その一
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な。そこで急だがクラスを移ってもらうことにした。四組の担任とはもう話がついている。今から向かえばショートホームルームに間に合うだろう。急いで行け、ただし廊下は走るなよ」
「了解です」
そう言って職員室を離れる。
こうして俺は一年四組所属になった。
――お祭り。
辞書には神霊を迎えて慰め祈る儀式。
祝賀などのために行う華やかな行事とある。
学園の一部の女子たちから神のごとく崇められている織斑先生とその弟である一夏。
今回の学園祭は一夏と触れ合うという意味合いが強いだろう。
であるなら、学園祭というより単純にお祭りという言葉の方が適当かもしれない。
今日は学園祭当日。
お祭りという言葉がついている割には一般公開していないこともあり、会場となるIS学園にいるのは学園の関係者のみ。
そうだとしても閉ざされた空間でたいして娯楽のない学園生活において、気分転換にはうってつけだろう。
学園祭の数日前にクラス替えという憂き目にあった俺にたいした役目はない。
そこで午前中は学園内をぶらつくことにした。
俺の元のクラスである一年一組の前を通りがかると、ご奉仕喫茶は開店前だというのに女子たちの長蛇の列ができていた。
この列に並んでいる女子たちの目的は一夏であることは疑う余地はないだろう。
聞こえてくる声に耳を傾ければ、
「一夏くんの接待が受けられるの?」
「しかも執事の燕尾服」
「それだけじゃなくて、ゲームもあるらしわよ?」
「しかも勝ったら写真とってくれるんだって! ツーショットよ、ツーショット」
何て声が聞こえてくる。
知っていたこととはいえ、これは大変なことになりそうだ。
主に一夏が、だが。
一年一組の教室の扉が開いたかと思うと、スカート部分の丈が膝まである濃紺のメイド服にフリフリのついた白いエプロンで身体を包み、頭にはヘッドドレスを載せた女子が廊下に出てきた。
どうやらシャルロットのようである。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ、お嬢様」
うやうやしく挨拶をしてお客さんを店内へと案内する。
随分楽しそうに見えるが、一夏にメイド服が似合うとか誉められたのかもしれない。
俺の姿が視界に入ったのかシャルロットが声をかけてきた。
「ねえ、アーサー。一夏に挨拶くらいしていきなよ」
俺は足を止めるとシャルロットと視線を合わせる。
「忙しそうに見えるけど、いいのか?」
「いいと思うよ。ただしお店のほうじゃなくてキッチンのほうでお願い」
「了解。お言葉に甘えて一夏に挨拶していくよ。ところでキッチンって、どこ?」
一年一組の教室に入ると
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