第三章 始祖の祈祷書
第五話 竜の羽衣
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そうよっ! もぐもぐ……シロウの言う通りよルイズっ!」
「キュルケお前もな」
「うっ」
「もぐもぐ……このお肉おいしい……」
タバサがぼそりと呟くと、士郎は先ほどオーク鬼たちを埋めた場所を指差し、にっこりと笑った。
「そうか? オーク鬼の肉なんだが?」
「「「ごぶふっ!!!!」」」
士郎の言葉に、ルイズたちは口に含んでいたシチューを噴出すると、士郎に食ってかかった。
「なっ! 何考えてんのよあんたはっ!! なんてもん食わしてくれるのよっ!!」
「し、信じられないっ! どういう神経してんのっ!!」
「っ……! ゲテモノにしてもひどすぎる……っ!!」
ルイズたちの予想以上の反応に、士郎は頭をかきながら、顎に手を当て首を傾げた。
「ふむ……しかし、良く言うじゃないか? ゲテモノほどうまいって」
「だからってオーク鬼はないでしょっ!!」
ルイズは今にも士郎をくびり殺そうかとでもいうような形相でつかみかかろうとしたが、その直前に士郎が身体の前で両手を左右に振ると、必死な形相で弁解をし始めた。
「うっ、嘘だ嘘っ! 本当はただの野兎だっ!! お前たちが寺院に入っている間に、事前に仕掛けていた罠にかかった野兎を、さっき捌いたんだっ! 本当だっ!」
必死な形相で弁解を始めた士郎を見て安心したルイズたちは、深いため息をつくと、ぶつぶつと文句を言いながらも食事を再開する。
「まったくもう、驚かせないでよね。いくら冗談でもオーク鬼はないでしょうオーク鬼は」
「全く……」
「ひどい冗談……」
何とか落ち着きを見せるルイズたちの様子に、
ふぅ……これは……失敗だったな……
士郎は気付かれないよう小さく溜息を吐いたのだった。
食事が終わると、キュルケは膝立ちになりながら、残った最後の地図を地面に広げた。
「ねぇ、もう諦めて学院に帰りましょうよ」
ルイズが呆れた様子で、欲望で濁った目で地図を見下ろすキュルケに諭すように言葉を掛ける。キュルケはぐしゃり、と地図を掴むと、木に背中を預け、体操座りをしながら、士郎の入れたお茶をちびちびと飲んでいるルイズに突きつけた。
「これだけっ! 最後の一件っ! 残り物には福があるって言うでしょっ!」
そんな、まるでギャンブルにはまった人が、最後の希望にすがるような必死な姿を思わせるキュルケの様子に、士郎の顔に苦笑いが浮かぶ。
「それで? 最後の一つはどこなんだ?」
「タルブ村よっ! タルブ村っ! そこにある“竜の羽衣”が駄目だったら学院に帰ろうじゃないっ!」
士郎の問いにキュルケは勢い良く立ち上がると、左手で持った地図を胸に当て、右手の人差し指をタルブ村があると思われる
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