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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十七話 教会での結末
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複数の影が攻め手を緩めることなく襲い掛かることで二人とも近づくことが出来ない。何故こうも差が出てくるのか。単純な話、六つ目のスワスチカが開いたからだった。
基礎能力がスワスチカに左右されるアルフレートの分体である以上、スワスチカの数で力の差が出てくるのは当然であり、ましてルサルカの魂を奪い取っているパシアスは司狼、ティトゥスは勿論、下手をするとアルフレートよりも現状上回っている可能性が高い。
そして、ティトゥスはアルフレートの管理下から脱却した以上、基礎能力が上がることは無い。故に敵わないことを察知した司狼とティトゥスは躊躇わず撤退の判断を下す。パシアスは面倒なのか追う様子を見せず司狼達は地下道を通じて逃げ出すことに成功する。
「チッ、先輩を連れてこれなかったか。しかし、一体ありゃどう言うことだよ。先輩をどうやって自分のとこに持ってきたんだ?」
「嵌められだんだろうね。影に実体を持たせていたんだろうさ。それですぐに手元に手繰り寄せたんだと思うよ」
駆け足気味で警戒しながら移動する二人は玲愛を助けれなかったことを悔やみながらも原因やその後の行動、疑問の解消を行う。
「で、お前はいつからオレのなかに居たんだよ?」
「意識が覚醒したのは四つ目が開いたときだけど居たのは学校で話してたときからだね」
「なるほどな。あのヤロウ忠告だとか言っといて騙しやがったな、クソッ!」
六つ目のスワスチカが開き、物語は佳境を迎えるが役者は様変わりを呈する。夜は明け、時は満ち、誰も予想しない、予測できない物語の幕を引くのは誰になるか。今は誰にもわかりえない。
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