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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十七話 教会での結末
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その顔には笑みが浮かんでおり今の状況を楽しんでいるようにすら見える。

「如何するってもなー。まあ今のまんまじゃ先輩は助けれられないよな。何か手あるか?」

「向こうは影を使ってるんだよ。だったら自ずとその対策も立てられるのさ」

そういって縛られた後ろ手から缶のような物をパシアスの死角になるようにしながら見せる。司狼の知識が間違っていなければ確かにそれは閃光手榴弾だった。

「オイオイ、ちょっと待てよ。照らした程度でどうにかなるもんじゃねえだろ」

ルサルカから聖遺物を奪ったことで得ている知識から確認する。確かに現実に影を方向さえ間違えなければ影は遠ざかるだろう。しかし、あくまでそれは普通の影である場合だ。魂が直接影に込められている『食人影《ナハツェーラー》』に対して光の位置は関係ないといえる。しかし、ティトゥスはそれを否定した。

「それはパシアスが食べちゃった中身の能力だよ。俺ら『分体』が持つ能力はいっちゃ何だけど猿真似みたいなものさ。だからあの影も現実の縛りを少なからず受けている。そうしないと形を保てないからな」

「って言うことはアイツにはそれが効くって事か?」

若干の期待を込めて司狼はティトゥスに問う。うまくすれば目の前の女を斃して玲愛を救うことが出来るかもしれない。しかし、その期待は他ならぬティトゥス自身の発言によって否定される。

「無理だな。彼女が幾ら油断しても今消耗している俺らだけじゃ氷室玲愛を抱えて逃げれないさ。片方が囮になれば別かもしれないかもしれないけどね」

「じゃあ、オレがおと「いいや、俺が囮になるよ」……そんな事いうなら勝算はあるわけだな?」

「ああ、分体のことは同じ分体が良く知ってるってことさ。あと、現界してからあんまり経っていないからね。地下道がどうなってるのかわかんないんだよ。まあ、気にしなくても問題ないよ。すぐに彼女を斃して外から堂々と出させてもらうからさ」

そう言って司狼の返答を聞く前に閃光手榴弾のピンを引き抜く。
瞬間、空気が爆発するような音と共に光が教会を埋め尽くす。突然の閃光に拘束していた影が崩れる。

「喰らいなッ!!」

司狼のデザートイーグルがパシアスを玲愛に近づけさせないために牽制を放つ。

「早いとこ逃げなよ。彼女、嫉妬深いからね、って!?」

「ごめんなさいねぇ〜、彼女は渡しちゃいけないらしいから」

「チョットチョット、そりゃないでしょ。こっちの苦労も考えて欲しいんだけどさあ」

近づけさせないために放った牽制は意味を成さず玲愛はパシアスの腕の中に納まる。そしてそれを止めることが出来なかった二人。何故、と疑問に思うと同時に奪い返すための次の一手を打とうとするが、

「くッ!?」

「ッやっるねぇ!容赦なし!?」
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