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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十七話 教会での結末
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シュライバーの魂を喰らいながら僕は疑問に思っていたことを聞く。
「そういえばあくまでも客観的見解なんだけど、君は一体どうやって彼を斃したんだい?」
いかに『死森の薔薇騎士』が白騎士に有効な手段だとしても魂の総量で劣っていることに変わりは無い。結局はジリ貧で長期戦になれば勝てないのは必然だ。それに対する解は僕にとっても予想だにしなかったものだった。
「は……二重の創造?」
「あ?テメエが仕込んだんじゃねえのか?『分体』に聖遺物持たせてんだから出来んだろ」
間違ってもそんな機能、僕は仕込んだ覚えは無い。それどころか聖遺物を二つ持つとかいうことにすら関与していないし。
「いやいや、そんな設定した覚えはないよ。そもそも聖遺物を二つ持つことだって出来ないはずだよ。いや、待てよ……君につけた分体はティベリウスだったよね。だとしたら……」
不可能というわけじゃない。あれはあくまで聖遺物の仕組みを利用した贋作という捕らえ方をしていたけど、彼にはヴィルヘルムに仕え尽くしたいという渇望だったはず。なら容そのものが同じとまで言わないでも似通った物にはなるんじゃ。
「だとしても創造を二重に発動させるのは無茶が過ぎる。二つ目の聖遺物を手に入れた時点で規格の合わないスポーツカーに飛行機のエンジンを積み込んだような状況なのに、その上で創造なんてニトロを起動させたようなものだよ。
だからこそ警告しておく。その二重の創造は使うな。いや、使うことが不可能だというべきだろう。君はあの環境での戦闘下だったからこそできた所業だ。これは推測に過ぎないけど白騎士との戦いであり、ティベリウスが完全に消滅しきる直前だったからこそ君は魂を維持させることが出来たんだと思うよ」
「つまりは俺がアレを使うことはもう出来ねえっていうのか?」
「そう捕らえて構わない。事実、二つの聖遺物を持っている現状ですら危険な状態だと言ってもいいんだから」
二つの聖遺物を持つことが出来るのは二つ目の意志を分体として用意させているからこそだ。しかし、今のヴィルヘルムはティベリウスの意志を完全に喰らい尽くしてるから意志は一つしか存在していないことになる。
いつ拒絶反応が起きるかもしれない今の状況は正直避けて欲しいところだ。使える駒が減ってしまうかもしれない。だがまあ、だとするなら駒として使えるうちに酷使すればいいだけの話だ。直に夜も明ける。明日にでも残りのスワスチカが開かせるとしよう。ジークハイル・ヴィクトーリア―――
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「なあ、遊佐司狼。このままだと二人して捕まったままになるけど如何しようか?」
ティトゥスは事なげも無くそう尋ねる。パシアスによって司狼と共に捕らえられているティトゥスだが
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