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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十七話 教会での結末
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まりなよ」

「なッ!?」

ナウヨックスに当たる直前で俺の腕が止まる。どういうことだ?

「テメエ……何しやがった……ッ」

「いや何、たいしたことじゃないよ。君はティベリウスを取り込んだだろう。彼自身の忠義は本物でも、彼を現界させた僕は君に対して……というよりも分体に対して一定以上の信頼をしていないんだ。仕掛けは施してあって当然だろう。君は一時的に、ほんの僅かな間だけど僕に害なすことは出来ないんだよ。
(とはいっても発動する効果対象が分体そのものじゃなく、そいつを喰らった聖遺物持ちにしか効果が無いんだけどね)」

「……どうするつもりだ?俺を殺す気か?」

いや、認めたかねえがコイツがそんな安直な方法を取るとは思えねえ。だとすると何をする気だ?

「いいや、そんなことをするつもりはないよ。君の後ろで未だにもがいている白騎士を喰らうだけの話だよ。そうすると水騎士(アグレド)としての役割を果たすことが出来るのさ。代替の三色の騎士として機能できる。それを邪魔しなければ言いだけの話なんだよ」

「そういうことか……今ままで、俺はテメエが何なのかは気にしたことも無え。いや、今も気にしちゃいねえんだが……そういうことなんだな。テメエはクラフトの同種だったってワケか……」

「ん?同種?やだなあ、彼とは確かに信頼しあえる仲ではあるけど同種ってどう言うことだよ?僕は彼みたいな趣味、性癖は持ち合わせていないんだけど?」

「ああ、アァ、いいんだぜ。別にテメエがクラフトの野郎と同類だとか同属だとか言いたいわけじゃねえよ。俺はあくまで同種だってことを理解しただけだ」

クラフトの野郎は蛇だ。それが理解できりゃ、ある意味コイツが何なのかも理解できる。だが、コイツ自身はおそらく気付いちゃいねえんだろうがな。だったら利用させてもらおうじゃねえか。

「ともかく、気にすんじゃねえよ。俺は気にしちゃいねえ。別に同種だからってテメエがアイツと同じワケじゃねえんだ。俺は俺の好きなようにやらしてもらうだけだ。いいぜェ、今更だがテメエの条件受け入れようじゃねえか。七面倒なことしなくてもいいように俺とアイツが戦える状況を整えてくれんだろ」

俺の突然の心変わりにナウヨックスは困惑している。なに、たいした理由じゃねえよ。テメエは気が付いちゃいねえだろうが俺にとってもこの交渉にテメエが考えていること以外の得があっただけの話だ。

「まあ、受け入れてくれるならありがたいよ。じゃあ、その拘束も解くとしよう」

そういって俺の体を内側から拘束していた何かが消え去る。拘束された感じからして多分こいつはそう何度も使えない。俺の体にあるティベリウスの聖遺物が完全に馴染んだら効果が無くなるんだろう。ならそれまでの間、待ってやらいいだけの話だ。



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