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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十七話 教会での結末
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「残念、それは無理だ」

ナウヨックスの野郎がそういって教会から出てきたのを俺は確認した。

「どういうことだァ、オイ。返答しだいじゃテメエをぶっ殺してやるぞ」

今の言葉に嘘偽りは一切無い。シュライバーとの戦いで消耗したことに変わりは無いが、今の高揚した感情の中で抑えきれないものがあるのも事実だ。そして今のナウヨックスが疲弊していることは俺の目でも明らかだ。
何があってそうなったかに関してはどうでもいいが、俺の勝ちを奪い去ろうってんなら容赦する気はねえ。

「いやいや、事実だよ。君は残念ながらライニ…ラインハルト殿に認められるような英雄の容ではないんだよ。君のその創造のあり方では。
ああ、だからといってそう悲観することはない。八つ開けば当然、恩恵は受けれるんだからそれまでの辛抱というだけの話なんだよ」

「なあ、ナウヨックス―――そりゃァ喧嘩売ってるって受け取っていいんだよなァ?」

俺が『あの人』の牙になれないだと。戯言を抜かすんじゃねえ。

「いいや、そんなつもりは無いけど君は白になれないということは替えようの無い事実だというだけの話なんだよ。勿論、ラインハルト殿の牙として認められては居るだろうし、その勝利を奪うなどという無粋な真似はしない。
だけど、彼のことを意志を汲んでくれるのなら白の証を譲って貰いたい。
了承してくれるなら……そうだな、君が気に掛けていた彼、司狼だったかな?彼との戦いの場を整えることを約束しよう」

「ハァ?テメエそれ本気で言ってんのかァ?それとも六十年、眠ってボケたのかよ」

白を譲れだ云々は置いておくにしてもこいつの意図するところが見えねえ。いや、そんなこたぁ前々からそうだったが、それにしたってコイツがこうもまくし立てるように交渉するのは珍しい。

「解せねえな…、いつものテメエらしくねえじゃねえか。テメエなら口八丁手八丁で俺を誤魔化すなんざいくらでも出来るだろうに」

「それをする余裕が無い位には焦ってるのさ。今の僕は消耗してるんだよ。だから急いている。対価は惜しまないつもりだ。だからこそ白を譲って欲しいんだけどね」

なるほど、これほど消耗してるのも苛立ってんのも納得は出来た。確かにコイツに恩を売っといて損することはねえだろうな。だけどよ、

「俺がそんな提案に頷くような野郎だと思ってんのかァ?そういう交渉はよォ、マレウスやブレンナー、クリストフの野郎にでも言ってこいや」

「交渉は…決裂かな?」

「決まってんだろ、それともここで死ぬかァッ!」

右腕を振り上げ、ナウヨックスの心臓を貫く。何らあわてる様子もないナウヨックス。それに一瞬、疑問を持つが既にその腕はナウヨックスを貫通しようとしている。

「まあ、そう慌てなくてもいいだろ?ちょっと止
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