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万華鏡
第五十九話 ハロウィンの衣装その十五
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 だからだ、キョンシーもいいのだ。
「キョンシーって本当は怖いけれどな」
「吸血鬼だからね」
 しかも人の頭をもぎ取ってそこから血を吸うのだ、お世辞にも優雅とは言えない凶暴な妖怪なのがキョンシーなのだ。
「あれも」
「中国にも吸血鬼いるのよね」
 琴乃が二人の話に入って来た。
「実は」
「いないっていう人いなかった?」
 同級生は琴乃にも応えて言う。
「確か」
「じゃあキョンシーな何って話よね」
「中国の妖怪で一番有名だしね」
 最早中国妖怪の代名詞になってさえいる、キョンシーはそこまで有名になったのだ。それも映画のお陰である。
「そうよね」
「それでどうしていないって言えるのかしら」
「吸血鬼ってヴァンパイアだけじゃないでしょ」
 スラブのそれだけではないのが実情だ、吸血鬼の話はそれこそスラブはおろか世界中勿論日本にも話がある。
「そうでしょ」
「確かマレーシアにね」
 同級生は琴乃に応えてこうした吸血鬼を言った。
「首だけじゃなくて内蔵まで出して飛んで来る吸血鬼いるから」
「それ滅茶苦茶怖くない?」
「だって首の下に内蔵がそのまま出て来て飛んで来るのよ」
 その不気味な姿をあえて話すのだった。
「怖いわよね」
「それが出て来てなのね」
「そう、人に襲い掛かってね」
 そしてだというのだ。
「血を吸ってくるのよ」
「それも吸血鬼なのよね」
「そうなのよ、こういうのもね」
「それで中国にはキョンシーがいて」
「他にもいるわよ」
 中国の吸血鬼はというのだ。
「九メートルはある巨人で何処かの小島にいてね」
「それで人を捕まえてなのね」
「そう、騙して閉じ込めてその首をねじ切って吸うのよ」
 その血をだというのだ。
「そうするのよ」
「えげつないわね、そういうのもいるのね」
「そうなの、吸血鬼っていっても本当に色々なのよね」 
 世界中にいるだけあってだというのだ。
「中にはリアルな人間が吸血鬼になるとか」
「あっ、その話まずいわよ」
 彩夏はその話を聞いてすぐにだった、同級生に対して眉を顰めさせてそのうえでこう言ったのだった。
「殺人鬼とかでしょ」
「そう、サイコ系のね」
「そういう連中妖怪よりまずいから」
 もっと言えば吸血鬼よりもだ、伝承にある。
「殺し方とかもね」
「そういう連中はハロウィンにもね」
「吸血鬼じゃないけれど切り裂きジャックとか無理でしょ」
 十九世紀ビクトリア女王の時代にロンドンを恐怖で覆った謎の連続殺人機だ、初老か中年のくたびれた娼婦達を次々と惨殺していった謎に包まれた人物である。
「ハロウィンのコスプレに」
「やば過ぎてね」
「だから明るくなのよね」
「リアルはなしなのね」
「そうなるわね、じゃあお互いにね」
「うん、
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