第五十九話 ハロウィンの衣装その十三
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「沖縄って前の戦争で激戦地だったからそうした話結構あるんだよな」
「戦死したり自決した人ね」
「ああ、川で子供を抱いている血まみれの女の人とかな」
そうした幽霊の話がだ、本当にあるというのだ。
「聞くよ、この目で見たことないけれどさ」
「そういうのが生きたままでもなのよ」
「実際にはあるんだな」
「だから妖怪に比べて」
本当にだとだ、景子はしみじみとした口調になって述べた。
「幽霊、人間の方がね」
「ずっと怖いわね」
「そうよね」
他のメンバーも景子のそうした言葉に頷く、そうしてだった。
五人は服を選んでから部室に入った、当然それぞれの服を手に持っている。
一年生の一人が部室に入って来た五人の手を見た、そのうえでこう言って来た。
「あんた達は日本でいくのね」
「ああ、そうなんだよ」
その娘に美優が答える。
「それも動物系でさ」
「そうなのね、可愛いわね」
「ハロウィンはそっちだろ」
「どっちかっていうとね」
実際にそうだとだ、同級生も美優に答える。
「まあこっちは西洋系だけれどね」
「じゃあ魔女かい?」
「そうそう、魔女で統一してね」
それでだというのだ。
「色違いにしたのよ」
「赤とか青だよな」
「それと黄色、緑、桃ね」
つまり五人のチームだというのだ、この同級生のチームは。
「それでいくわ」
「戦隊そのままだな、おい」
「魔女戦隊とか?」
「その配色だとな」
まさに戦隊だというのだ。
「他のにしてもいいんじゃねえの?」
「他の配色?」
「魔女でハロウィンだからな」
それでだとだ、ここでこの配色を出した美優だった。
「赤と青に黄色、紫と緑な」
「桃が紫になっただけでしょ」
「オズの魔法使いだよ」
それの配色だとだ、美優は彼女に答えた。
「それの配色だけれどどうだよ」
「ああ、オズね」
同級生もオズの魔法使いと言われて納得した。そのうえで美優に対してはっきりとした顔になって答えた。
「そういえばオズってその色だったわね」
「エメラルドの都が緑だろ」
中心にある国である、全てがエメラルドで飾られたみらびやかな都である。
「それでギリキンが紫、マンチキンが青、ウィンキーが黄色でカドリングが赤な」
「そうだったわね、確か」
「それもいいよな」
「ううん、紫の魔女ね」
そう聞いてだ、同級生はこう言った。
「結構ありよね」
「戦隊のままでもいいけれどさ」
美優はこの配色も否定しなかった。
「こっちもよさげだろ」
「確かにね」
「まあそっちのグループのことだけれどな」
「こっちで決めろっていうのね」
「言った傍からあたしもどっちがいいかわからないしさ」
戦隊の配色がいいかオズがいいかはだ。
「そっちで決めてくれ
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