第百十話
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第百十話 カレーの味は
家族、華奈子と美奈子のそれぞれの使い魔達も傍に呼んだうえでだった、家族全員で二人が作ったシーフードカレーを食べた、そしてだった。
まずはだ、ライゾウがこう言った。
「いんじゃない?」
「そうだね」
今度はタロが言う。
「この味でね」
「いけてるよ」
「はい、流石はご主人様です」
「お見事です」
今度はタミーノとフィガロが言う。
「美味です」
「よいかと」
「うん、確かにね」
「美味しいわね」
最後に二人の両親が言ってきた。
「二人共料理上手だね」
「これならいいわ」
「ううん、これはいい奥さんになれるな華奈子も美奈子も」
「この調子でいってね」
「そういえばあたし達って家庭科はね」
「二人共得意ね」
二人はここでこのことについて二人で話した。
「お洗濯もお裁縫もね」
「ミシンとかアイロンも」
「そういうの抵抗ないし」
「それなら」
「いい奥さんになれるぞ」
「一人暮らしになっても苦労しないわよ」
両親は笑顔で二人に話した。
「これならもう大丈夫だな」
「そのまま成長していけばね」
「二人はいい奥さんだ」
「先が楽しみね」
シーフードカレーを食べつつ明るい顔で言う両親だった、だが二人はその両親を見て微妙な顔になっていた。
そうしてだ、二人でこう話すのだった。
「何かお嫁さんって言われても」
「そうよね」
美奈子が華奈子の言葉に応える。
「私達はね」
「ちょっと実感ないわよね」
「結婚って言われても」
「子供のこともね」
どちらもだった、今の二人にとっては。
「ずっと先のことだから」
「これといって」
実感が湧かなかった、それで二人は言うのだった。
「想像出来ないわね」
「全くね」
まだ小学生、高学年といってもそうである二人にとっては実感出来る筈のないことだった。その先のことに実感が湧かないままカレーを食べる二人だった。
第百十話 完
2014・2・22
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