As 11 「諦めないという決意」
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いけないのなら、ダメって注意されてると思うし。あんまり寝てばかりいるほうが身体には悪いんじゃないかな?」
「それは……そうだろうけど」
「大丈夫だよ。するにしても、ちゃんと許可を取ってからにするから」
テスタロッサは少しの間の後、「うん……」と返してきた。どうやら納得してくれたようなので、これで一段落だ。
「……ところで、俺が寝てる間に何か進展とかあった?」
「あっ、うん」
「確か……」
高町とテスタロッサは、確認し合う様に新たに分かった情報を話し始める。
闇の書には《ナハトヴァール》という自動防衛システムが搭載されているらしい。これが主の侵食と暴走の原因となっているそうだ。
ナハトヴァールは完成してから一定時間経過すると、闇の書の意思とも呼べる管制システムからコントロールを奪い、集めた膨大な魔力と主の命を使って破壊をもたらして次の主の元へと転生。停止や封印に関する資料はまだ見つかっていない。
ユーノが今も必死に探しているそうだが一緒に探していた身としての予想では、おそらく完成までの残り時間を考えると発見は難しいだろう。
……俺の予想が当たっていたってわけか。
闇の書が完成しようとしなかろうと、はやての未来は変わらない。ならば俺が取るべき行動は、もう一度シグナム達を止めることだ。
さすがに今度は今回のように甘くはないはず。
高町のように短時間で強くなるような才能は俺にはない。どんなに覚悟を決めようと、本気の騎士達に勝つのは難しいだろう。
だけど……だからといって諦めたくはない。諦められるほどはやてへの想いは軽くはないのだから。それに高町達だってぶつかり合うことで分かり合えた。シグナム達はかつてと違って人らしくなっている。分かり合う道だってあるはずだ。
「リンディさんやクロノくんが色々と準備してるみたいだけど、出来れば完成前に止めたいね」
「うん……ショウ?」
「あ、あぁ聞いてるよ……」
「大丈夫? 何だか顔色が悪くなってきてるけど……」
「大丈夫だよ。ただ……シグナム達が可哀想だと思ってさ」
「可哀想?」
「ああ。多分だけど、今回は主に命令されたからじゃなくて自分達の意思で魔力を集めてるんじゃないかな」
自分とシグナム達の関係がバレる恐れはあるが、時間がなくなってきているのも事実。俺ひとりでは彼女達を止めることは難しい。止めることが出来るなら、あとで罰せられることになっても構わない。
それにひとりでやろうとするな、とシュテルにも言われたばかり。ひとりの力では厳しいと分かっているのだから、素直に高町達の手を借りよう。彼女達ならば手を貸してくれるはずだ。
「前に昔のシグナム達と今のシグナム達は違うって話を聞いたし、主によっては力を求めない人だっているだろうしさ」
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