平和な時を
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慌てたようにルーが叫ぶ。
それに対し、ミラは首を傾げた。
笑みはそのままに、ミラは言う。
「ティア、恋してるんじゃない?」
空気が凍りついた。
全員が目を見開き―――喧嘩中のナツとグレイもだ―――静止する。
その空気を察知してか否か、ミラは続けた。
「だってティア、さっきから溜息ついてるし・・・声を掛けてもボーっとしてるし・・・」
まさか。
ギルドにいた全員の脳裏に、その3文字が浮かんだ。
酒を飲んでたマカロフやケーキを食べていたエルザ、シャルルに魚を差し出していたハッピー、それを拒否していたシャルル、それを見ていたウェンディ、アラン、ココロ・・・老若男女、全員の脳裏に、だ。
まさか、の次にくる言葉も、偶然の一致。
(まさか、あのティアが恋だって・・・!?)
ギルドの古株であるティア。
が、それより前に加入していたメンバーも、それ以降に加入したメンバーも、同期も皆聞いた事がない。
『ティアが誰かに告白された』ならしょっちゅう聞いているが『ティアが誰かに恋をした』なんてギルドの今年1番の大事件になりかねない。
「そ・・・そんな・・・まさか・・・」
驚愕で固まるギルド。
そんな中、1人プルプルと震えている奴がいた。
「姉さんがっ・・・恋だなんてええええええええええええええっ!」
クロスである。
青い髪をぐしゃぐしゃっと乱し、磨いていた剣はぐさりとテーブルに突き刺さり、その顔色は髪や瞳と同じように青く、有り得ない物を見るようにその瞳を揺らしている。
「そりゃ姉さんが恋をするのは自由だ・・・自由だがっ!それで姉さんがあの美しい鋭さを失ってしまうのなら俺は恋する相手を八つ裂きにしてやりたいっ!俺の完全無敵超完璧冷静冷淡冷酷鋭利姉さんから鋭さを奪うなど、神が許しても俺が許さん!姉さんの弟であるこの俺がああああっ!」
「もうクロス君見てられないよ!最近変な方向に走ってる!」
「主ーっ!落ち着いてください!」
「おいライアー!お前も止めろ・・・」
「・・・」
「ウソだろオイ!ライアー気絶しちまってる!」
「放せお前達っ!このままでは姉さんが魔手に掛かる!そしてあの惚れ惚れするような鋭さを失ってしまう!そんなの認めんぞおおおおっ!」
「クロス君落ち着いてーっ!落ち着かないなら、力を貸して!召喚!アイゼン・・・」
「サルディアやめろーっ!」
今にも暴走しそうな(もう暴走してるけど)クロスをサルディアとヒルダが慌てて抑える。
スバルはライアーに目を向けるが、ライアーは椅子に座ったまま気を失っていた。
どう抑えても止まらないクロスを見たサルディアが魔法陣を展開させ、ライアーの肩を揺らしていたスバルが慌てて止める。
「アイツ大丈夫なの
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