双子の上か下を決めるのは難しい
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後
鬼神・阿修羅の力を得て転生した少女は目を開けると何もない空間だった。
少女は鬼神・阿修羅と同じようにシャツを5・6枚重ね着し、ロングマフラーで顔をぐるぐる巻きにした格好でその何も存在しない場所、遠くない未来で次元の狭間と呼ばれる場所に生まれた。いや、発生したが正しいかもしれない。
そこで少女は転生する時と同じように疑問を呟いていた。
「あれ?おかしいな、あの神を名乗る男は生まれると表現した。つまり、誕生する母親の腹から生まれると言う意味で言ったものじゃなかったの?まぁ、何もいなくてとても清々しいからいいか」
少女は二日くらいはニコニコと顔を覆うロングマフラーを中心から組んだ手のひらを離すように開いて笑っていた。顔は前世と変わりなかったが髪はてっぺんの方に目を縦にした様な模様が入っていた。
しかし、ある時いきなりロングマフラーで顔を覆うとまた今度は呟いきながら震えておりこの前の疑問とは違い明確な恐怖があった。
「あれー?なんで、なんでこんなにも怖いの?どうして恐怖してるの?それもこれまでにない位に!何故何故何故、なんで一人ぼっちなことに、孤独なことにここまで恐怖する必要があるんだ!!!」
それは焦り、自分自身が感じた事のない感情に対する焦り。そして、それは怒り、前世の記憶を消した筈なのに魂が覚えている他者と触れ合うことの温もりを愛しく思うことに対する怒り。そして、それは恐怖、今までに無いほどの未知自分自身の感情を理解できない恐怖である。
例えば、この状況に陥ったのが並行世界の彼女鬼神・阿修羅ならばこうはならなかっただろう何故なら彼は始めから温もりを知らなかったからだ。死神の恐怖から生まれた阿修羅は始めから疑心暗鬼の塊、恐怖の化身として完成していた。
しかし、彼女はいくら並行世界の阿修羅でも環境が違った。一般家庭に生まれ親の愛を一身に受けた、あらゆることに対する天才的な才能と全てに恐怖するビビリな性格を持っていても両親は優しく接した。その上彼女には親友と呼べる存在がいた。いくら彼女が忘れても魂に刻まれてしまった感覚が残ってしまっていた。それに目をつけた神が魂のそれを感情に現れるほど強くした。彼女の楽しかったという言葉を聞いた神が次の生で信頼できる人物を得られるようになるために。
まぁ、それがなければここまで感情が出ることはなかっただろう。
しかし、そんな事は彼女が知るところになかった。彼女は、この孤独が癒せればどうでもよく。その方法を彼女は持っていた。いや、鬼神・阿修羅は持っていた。
「そうだ、完全に魂を解放して道化師を発生させればいいんだ。そうだ、うんそうしよう」
そして、彼女は平行世界の自分である阿修羅がしたように魂を解放する、それが次元の狭間と繋がっている世界があることも知らずに。まぁ、知っていてもやるだろ
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ