暁 〜小説投稿サイト〜
東方小噺
出張万事屋、兎が導く魔女の家
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
ならばこそてゐは確かに救いを与える聖職者だ。
 
「……てゐさん何やってるんですか」
「愉悦ごっこ。楽しいうさ」

 最もてゐはラスボスでもステージボスでもない中ボスであるが。多少髪はモジャっているが眉は普通だ。あくまでごっこである。

「取り敢えずあなたは幸運になったともう。今ならその珍味と群れバトルで色違いくらい行けると思うから頑張って。運は鮮度早いから」
「はい。ありがとうございました。狩猟できた暁には何かお礼をしに行きます」
「なら料理食べたいわ。至高と究極どっちでもいいから」

 バイバーイとてゐは去っていく相手に手を振る。こっちから見えないが向こうから見えていれば十分だ。裏で何と思っていようと表ではパッと見好意的にする。愛嬌は大事なのだ。
 
「飽きてきたー」

 まだ二人だというのにてゐは愚痴る。気の長い方ではないのだ。
 手伝うのは今日含め二日ということだが既に帰りたくなってきた。一日も持ちそうにない。
 そもてゐは何かしら悪戯にでも使える弱みとかその辺りが聞きたくてこの役をやっている。今までの二例はそれに当たらない。
 今更ながらに思えばそんな相談が来るのか疑問だ。てゐの性格はある程度異常関わりがある相手に走られている。そんな相手に本格的な相談をしにくる存在がいるのだろうか。
 来るとしたら関わりの薄い里の人間か冥界の庭師のように幸運が欲しい相手くらいだろう。
 魔理沙のノリにのってノリで動いたがもう少し考えるべきだったかとてゐは少し後悔する。

 座っている椅子に背中を預けブランブランとバランスをとっているとコンコンという音が聞こえた。適当に返事をすると誰か入ってくる。

「アノー、相談ヲ聞イテクレルト聞イテ来タノデスガ」

 どこかくぐもった、安直に言えば声色を変えた声だった。やっとこさプライバシーを気にする相手が来たのだろう。

「はいどうぞ。相談事なら何でもござれ幸運うさぎです」

 ぶらんぶらんしながら適当に言う。向こうからは見えているだろうが知ったこっちゃない。

「友人ニ少シ悪戯ヲシテイマイマシテ。ソノ相談ヲ聞イテ欲シインデス」
「悪戯ね。いいんじゃない。何でそんなことしたの」
「ソノ友人ガ私ニ悪戯シタカラ、ソノ仕返シニ少シクライ意地悪ヲト」
「そりゃ平気うさうさー。喧嘩両成敗で気にする必要ないよ。軽くめんごって言えば許してくれるって」

 ありがちな話である。それでも相手に先にされたのに気にするあたり真面目な性格だ。
 こんなところにまで相談しにくるあたりどこか臆病なのだろう。それでもその純真さは素晴らしい事だ。良い子なのだろう。
 どっかで聞いたことある声な気がするなーと思いつつてゐは会話を続ける。

「本当ニソレダケデ平気デショウカ。アナタ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ