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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第15話:終焉
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り騒ぎが収まると、ヒルベルトやクリーグなど特に親しかった面々が
次々とゲオルグに声を掛けてきた。
どの顔も笑顔であったが、その口から出てくる言葉は別れを惜しむもの
ばかりだった。

翌日には2人とも揃って本局へと向かった。
本局の転送ポートに到着した二人は、それぞれの転属先へと向かうべく
そこで別れることにした。
互いに手を振り合い、背中を向けあってお互いの進むべき方向へと歩き出した。





それからさらに数日後、休みの日にフェイトから呼び出されたゲオルグは
本局居住区にある喫茶店に向かった。
店に入ると自分の方に向かって手を振るフェイトにゲオルグは気づく。
そして彼女が座るテーブルに近づくと、その隣に1人の女の子が座っていることに
ゲオルグは気づいた。

その女の子はフェイトよりも少し小柄で、茶色の髪の毛を
サイドポニーにまとめていた。

「おはよ、ゲオルグ」

「おはよう。 今日はどうしたのさ?」

「うん。 あのね、いつか私の親友を紹介するって言ったの覚えてる?」

フェイトの言葉を受けて、ゲオルグは黙って頷いた。

「それでね。 いい機会だから今日紹介しようと思って」

「そうなんだ。 この子がそう?」

「うん」

その時、フェイトの袖を隣に座る女の子がひく。

「ね・・・フェイトちゃんの言ってたお友達って、この人?」

「うん」

不安げな表情を見せる少女に対して、フェイトは安心させるように
少女の肩に手を置いて微笑んだ。
その様子を見ていたゲオルグは自分から少女に話しかけることに決めた。

「はじめまして。 僕はゲオルグ・シュミット。 よろしくね」

そう言ってゲオルグは少女に向かって手を伸ばした。
少女はしばしその手を見つめていたが、やがて少女の方からも手を伸ばして
ゲオルグの手を握り、ゲオルグの方に顔を向けて微笑んだ。

「高町なのはです。 よろしくね、ゲオルグくん」

「こちらこそよろしく、高町さん」

「なのはでいいよ、ゲオルグくん」

「わかったよ、なのは」

手を握り合って笑い合う2人を見て、フェイトは嬉しそうに笑っていた。

この時には当人たちも与り知らぬことではあったが、
これこそがのちに夫婦となるゲオルグ・シュミットと高町なのはの
初めての出会いであった。


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